4月16日
『御神能』見学
宮島に出掛けてきました。 目的は『御神能』見学。 決して『鑑賞』とは言わない。 私にはそういう素養はなくて、まぁツア
ーガイドの一環、単に知識の蓄積です。 厳島神社では神事の一環として『能』が奉納されています。 『能』だけでなく交互に
『狂言』も奉納されます。 場所はもちろん厳島神社の『能舞台』で、この日には特設の観覧席が作られます。 ・
『御神能』の奉納は年2回あります。 1月2日に『御松囃神能』、世の平安や五穀豊穣、息災延命を願った正月の祝賀芸能がル
ーツだそうです。 そして4月16日〜18日が『桃花祭御神能』です。 喜多流・観世流の『能』と大蔵流の『狂言』が奉納さ
れます。 『桃花祭御神能』は3日とも午前9時〜午後4時まで『能』と『狂言』が交互にほぼ休むことなく続きます。 ・
私は能の『高砂』と『田村』、狂言は『萩大名』を拝見しました。 雰囲気は分かりますが、独特の節回しが聞き取れなくてスト
ーリーはさっぱり分かりませんでした。 私にはちょっと敷居が高かかったようですがお好きな方もいらっしゃるようで、周りに
は一生懸命にメモを取りながら見ておられる方も多かったです。 一般的に『能』の鑑賞はかなり高額ですが、この『御神能』は
昇殿料(300円)だけで鑑賞することができます。 今日も明日も公演は続きます。 よろしかったら如何ですか? ・
4月14日
ボランティアガイドが終わりました
オーストラリアから2組のご夫妻がお見えになりました、 シドニーのWoollahraという街にお住いの方々で、以前ご案
内した別の方に聞いたところでは最も美しくて高価な高級住宅街なのだそうです。 日系企業を退職された方、ケータリングを経
営されている方、宗教の先生、こんな方達でした。 皆さんのお宿は宮島では最高級の『岩惣旅館』で、一体どういう人達なんだ
ろうと思っていましたが、「なるほどなぁ。」と納得しました。 ・
最初に頂いた依頼には「弥山に登りたい。」とありました。 年齢をお尋ねすると、全員65歳〜70歳といいます。 これは弥
山の高さだけをお調べになったか、旅行代理店に吹き込まれたか、そんなところかなと思い訊ねてみたところ案の定でした。 そ
れでも「日常的に15〜20kmくらい歩いているから大丈夫だ。 もし厳しかったら体力に合わせてゆっくり登る。」と麓から
頂上までの登山を希望されました。 そこで私も覚悟を決めてこのところの弥山行になったという訳でした。 ・
14時にホテルのロビーで待ち合わせ。 ところが今日は生憎の雨でした。 「午後には雨」の予報は数日前から殆ど変わりませ
んでした。 雨だったら麓からの登山はお断りする積りで取り敢えず登山の準備をして様子を見ていましたが、お昼前には雨が落
ち始め、だんだんと激しくなっていくようです。 雲も厚い。 そこで平服に着替えて出掛けることにしました。 ・
ロビーでお目にかかって「雨中の登山は危険なので私としてはお勧めできない。」とお話ししました。 ところが「雨の景色もま
たいいものだ。 我々は美しい自然を満喫したいんだ。」と懇願されます。 余りに残念そうでしたので「それなら中腹までケー
ブルカーで登りましょう。 それから約1km歩くことになりますが、それならどうでしょう?」と提案すると急に顔が明るくな
り了承していただけました。 ・
『獅子岩』駅でケーブルカーを下りて一旦下り、それからきつい坂道を登っていきます。 相当に自信をお持ちだったようで最初
はスタスタと登って行かれましたが、次第にペースダウン、遂には暫く立ち止まっては追いついて来るのを待つということを繰り
返しながら登っていきました。 私が73歳であることはお知らせしていましたので、ホテルでは「あなたも一緒に登ってくれる
のか?」と驚かれたりしましたが、遂には「あなたは私達より随分若い。 驚いた。」と言われました。 それはそうでしょう、
そのためにトレーニングをしてきましたから。 ・
『霊火堂』で茶釜のお湯を飲んで頂き、『くぐり岩』を通って頂上に至りました。 霞んではいましたが、360度の眺望には随
分感動されていました。 霧が流れて遠望を隠し、再び現れてくる景色は私としてもなかなかのものだと感じました。 まるで一
幅の墨絵をみるようでした。 『くぐり岩』でちょっとしたアクシデントがありました。 お一人が勢いよく登っていかれました
が、大男でしたから天井で強く頭を打たれました。 仲間は「彼は頭に子供を作った!」とからかっておられましたが、私にも経
験があります。 あれは確かに痛い。 しかもかれはbold。 ・
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下って『厳島神社』にご案内しました。 お一人は宗教の教師ですし、他の方も敬虔なJewishでしたので日本の神道にとて
も関心を持たれて、神道の祭神や仏教との違い、shrineとtempleの違いなど次々と質問されました。 そして神道の
拝礼マナーも体験され雨の厳島神社を後にしました。 ・
今夜は『岩惣旅館』でビッグディナーを計画されています。 従ってもやはタイムリミット。 最後に『大聖院』にご案内し『五
百羅漢』をご覧いただいて今日のガイドを終わるように考えていました。 ところが、『大聖院』の山門は閉ざされていました。
以前はこんなことはなかったと思うのですが、観光客が増えすぎたのでしょうか。 女性たちは諦めきれず、そっと『閂』を外し
て侵入されていました。 明日の朝早く来てみると言いながら諦めきれぬように宿に向かわれました。 ・
明日は広島をご案内することになっていましたが、急遽予定変更、早朝に京都に向かい、更に『トヨタミュージアム』を訪れるこ
とにされたようでした。 従って今回のご案内はこれでお終い。 早速例の『お好み焼き』店にキャンセルの連絡を入れておきま
した。 ・