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ダンゴの役割 |
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私のダンゴ遍歴 |
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私のベストダンゴの紹介 |
タナの状態
を正確に知らせてくれるわけです。
そして『濁り』と『匂い』を存分に振り撒いて
飛び出して
くる様子をチヌに認識させるわけです。
しかしダンゴはともかく砕ければ良いというわけではなくて、ある程度チヌに
突つかせる
時間も提供しなければなりません。
またダンゴが砕けるまでに必要以上の時間がかかると手返しが遅くなり、
好時合を迎えても期待通りの釣果を得ることはできません。
その中間に存在する 理想的な
このようにダンゴの役割を整理するとダンゴ作りに必要な要件が見えてきますね。
ダンゴに具備しなければならない要件は『ダンゴの役割』から考察すると次の3点になります。 1つは『纏まり』
1つは『捌け』、1つは『集魚力・持続力』です。 ・
何はともあれ、餌を包んだダンゴをチヌのタナまで確実に送り届けなければなりません。 更に着底した後、チヌに
ある程度突つかせる時間(10秒〜20秒)が必要です。 つまりこれだけの時間は、ダンゴには砕けないで餌をし
っかり抱いていて欲しいわけです。 これが『纏まり』です。 またポイントの水深によって、着底するまでのダン
ゴの消耗の度合が違いますから、これらも『纏まり』確保の考慮の対象にしなければなりません。 ・
『捌け』について
ダンゴが着底して10秒〜20秒で砕けるのが理想的です。 『ダンゴが着底し、濁りと匂いを発しながらやがて砕
けて、中から餌が飛び出す』という演出をいかに回数多く繰り返すかが釣果に直結しますから、『纏まり』とともに
『捌け』も大切な要件です。 ダンゴを投入した後、1分もウキが浮いてこないようではとても釣果は望めません。
このようにダンゴ作りは『纏まり』と『捌け』という相反する条件を同時に満足させなければならない、ちょっと厄
介な仕事になります。 『ダンゴ釣り』で釣果を得ようとするならば、『集魚力・持続力』と合わせ、この2つの要
件を満足させるご自分のダンゴを完成させることが大切です。 ・
最近では、既に配合してある出来合いのダンゴも販売されていますが、私は『ダンゴ釣り』のベースになるもので
あるだけに『ご自身のダンゴ』を持つことをお勧めします。 ダンゴは『活性期』と『非活性期』で配合も内容量
も変わりますし、非活性期の釣り場のように10mを超える深場では、よほどダンゴがしっかりしていないと、餌
を底まで送り届けることができません。 ・
また『纏まり』のみに着目すると、いつまで経ってもウキが浮き上がらず、手返しが遅くなってダンゴ釣りの特質
を生かすことが出来ません。 前述したように、『纏まり』と『捌け』は団子の生命です。 いつも同じタイミン
グで『投入・着底・捌け・流し・撤収』を繰り返すことができるよう、かなり微細にダンゴの調整をしなければな
りません。 ・
そのためには、粘り感、さらさら感をご自分の手で実感するのが一番です。 そこで、ダンゴは必ずご自分で作り
その経験を通じて『ご自分のベストダンゴ』をお持ちになることをお勧めしています。 例えば、出来合いのダン
ゴを使うとしても、砂や糠を用意し自分の配合に変えていくことが出来ます。 ・
出来合いのものは、どちらかというと画一的にならざるをえないので、砂や糠を加えてその釣り場に合った配合に
変えて行くよう工夫して下さい。 それと、私は例えばポイントまでウキが流れる時間など、少しでも手空きがあ
るとダンゴを手でかき混ぜています。 長い実釣時間、特に夏場などは乾燥によりダンゴの状態が変わってしまい
ます。 こうしてかき混ぜながら、場合によっては少し湿りを加えいつもダンゴの感じを均一に保つようにしてい
ます。 どうぞご自分の手に馴染む自分流のダンゴをお作り下さい。 ・
やはり『サナギ』の効果は高いと思う
ビギナーの頃に私が作った『ダンゴ』は今思えばひどいものでした。 地御前の浜で手ですくえば指の間からサラサ
ラと落ちていくほどキメの細かい砂を採取してきて、分量の目安もなく行き当たりばったりの『ダンゴ』をこしらえ
ていました。 要は餌が包めて、底まで沈めることができ、ある程度チヌにつつかせた後で潔く捌ければいいのだろ
うと単純に考えていました。 ・
仲間に散々聞きまわり、更に自分流に解釈してこんな結論に達したのですが、それはそれで全く見当違いということ
ではありませんでした。 現に地御前港ではわずか3ヶ月の間に多くの人から注目を浴びるようになりました。 ダ
ンゴ材は糠と砂、それにわずかの押し麦で、サナギ粉は使っていませんでした。 当時は「サナギを混ぜるとチヌが
臭くなる」という説が大勢で、私もそれを信じていました。 ・
ある日、私の隣に老人が座を据えました。 ちょうど今の私くらいの年頃だったと思います。 自作の浮きの仕上が
り具合をチェックするのだといいます。 私は「どうぞ、どうぞ」と座を勧めました。 誰が来たって決してひけは
とらないという過剰な自信がありました。 ところがこの老人が釣り始めると途端に私の当たりが遠のきました。・
これは劇的でした。 それから私が2つ、3つ上げる間に2倍も3倍も釣り上げて無造作にバケツの中に放り込みま
した。 ・
私の天狗の鼻はポッキリと折れました。 最後に「ダンゴには何がはいっとるん?」と老人に問いました。 老人は
私の『ダンゴ』を見て取ったものか「多かれ少なかれサナギを使わにゃぁ釣りにゃぁなるまぁ」と答えて波止を立ち
去りました。 「サナギを使うと匂いませんか?」と問うと、「そがんことはありゃぁせん」とも言いました。 そ
れ以降私はこの老人を『波止場の巨匠』と言ってきましたが、それ以降2度と顔を合わすことはありませんでした。
秘訣は砂の粗さだった
それから私は細引きサナギを少しずつ使うようになりました。 地御前の浜で自信を付けた私はそれから少し遠出す
るようになりました。 半年後には会社の釣り大会で似の島の波止に出かけブッチギリで優勝しました。 ただ、こ
の時たまに底が取れないことがあることに気がつきました。 ・
ある時にはタナが深いと思い、ある時には浅いと思い、その都度タナを調整をしました。 その時にはここの海底は
こんなにも複雑なんだと単純に納得していました。 それから阿多田島の猪子波止にも出かけるようになりました。
ここではその現象が一層顕著でした。 ある時半分も沈まない内に浮きが立ち上がって、『ダンゴ』が途中で砕けて
いることに気がつきました。 ここに気がつくまでに随分と時間がかかりました。 ・
地御前漁港では精々竿1本余り、それに比べ似の島の波止では竿2本程度、猪子波止に至っては竿3本以上の水深が
ありました。 この時から『ダンゴ』作りに迷いに迷いました。 糠を増やせば捌けない、砂を増やせば纏まらない
水の分量で対処しようとしても、何故かどうにもなりませんでした。 阿多田島には何度も通いましたが、遂に私の
ダンゴ』は通用しませんでした。 ・
こんなとき救世主が現れました。 職場の仲間と沖美の波止にノッコミチヌのブッコミ釣りに出かけました。 道糸
に5号の中通し錘を通して杓で30mばかり遠投します。 うまくいけば50cmクラスのチヌが乗ってくるという
算段でした。 ところが私の『ダンゴ』は飛んでいきません。 締めても締めても、空中分解を繰り返すばかりでし
た。 遂に諦めて近場を浮き釣りで狙いましたが全く話になりませんでした。 ・
釣り終えて私の『ダンゴ』を手にした釣友は一言「なんですか? これ!」と呟きました。 暫くあってその彼と可
部島に『かかり釣り』に出かけました。 その時彼が宮島で採取した砂を見て驚きました。 その砂は米粒程もあっ
て、こんなものでとても『ダンゴ』に纏まるとは思えませんでしたが、実際に彼が作ったのを見ると実にふんわりと
した感じに仕上がっていました。 そうして私の顔を見て「どうだ」という風に微笑えみました。 ・
分量が決まった理屈の通ったダンゴ
可部島の沖は20m程の深さがありましたが、『ダンゴ』の持ちは全く問題ありませんでした。 この頃から別の職
場の仲間に薦められてマイポイントを地御前漁港から小方漁港に移しました。 ここは『落とし込み』の好フィール
ドでもありましたが、『ダンゴ』の常連さんの一団がいて、そのなかの長老がこの釣り場を仕切っていました。 ・
この老人が私のいう『変形ダンゴの師匠』でした。 可部島での経験以降、少しは進化した自分流の『ダンゴ』をこ
のポイントに持ち込んで暫くやりましたが一向に釣れません。 水深12mのポイントで随分深いけれども釣友のお
陰で兎も角『ダンゴ』はうまく底まで届いています。 タナは確実にキープでできていると思うのにそれでも釣れま
せん。 ・
ところがその長老はいとも簡単に上げてきます。 しかもそれが半端ではなく毎回20尾とか30尾をあげてくるの
です。 とうとう我慢できなくなって教えを乞いました。 次回に糠と砂が2対1、荒引きサナギと押し麦を混ぜて
持って来いといいます。 「ここでは棒浮きでは釣れん。 これを使え」と渡してくれたのが例の『0号円錐浮き』
でした。 それまでずっと1号から2号棒浮きで通してきた私にとって、これは1種のカルチャーショックでした。
ハリスは1.5号1尋半、鉤は驚いたことに0.5号だといいます。 これにガンダマ5号が1つ、これで微妙にバ
ランスさせて釣れというのです。 随分微妙な釣りになりました。 その師匠が「ダンゴの砂はもっと粗くていい」
といいます。 彼が使っているのを見ると、これは砂というよりは小石に近いと思いました。 何回か握らせてもら
いましたが、それが誠によく締まりました。 こうして私はこの2人のお陰で深場に対応できる『ダンゴ』を手に入
れたましたし、目分量ではなく分量の決まった、いわば理屈の通ったしっかりした『ダンゴ』を手に入れることにな
りました。 ・
四国の釣友が残した謎のことば
その後の私の釣りは極めて順調でした。 たまに釣果がないこともありましたが、型はともかく行けば必ずといって
いいほど釣果に恵まれした。 こうしてこのポイントで数年、時期、潮、流れにどの様にも対応できる自信を持つこ
とができたのでした。 そんなある日四国の釣友から誘いがあり宇和島に釣行しました。 彼が苦労して探してくれ
た私が得意とする足下ドン深のポイントで竿を並べました。 「このポイントでも私の釣りは通用するか」と大きな
不安がありました。 鯛の養殖場が近く、鯛も上がりましたが狙いのチヌはマイポイント以上によく上がりました。
こうして私は私のダンゴと釣法に絶対的な自信を持ったのでした。 ・
ところがその翌年はそうは行きませんでした。 前回と同じポイントに座を据えましたが活発に上がってくるのは小
鯛、キス、小鯵、それに熱帯魚にも似たハゼもどきばかり、納竿前になってやっと遠来の釣客にお情けの1尾が上が
ったのみでした。 このとき爆釣した釣友が「私はチヌを寄せるのと食わせるのは違うと思う」とぼそりと呟きまし
た。 またまた天狗の鼻が折れた私は幾度となくその言葉を反芻しました。 ・
「チヌを寄せるのと食わせるのは違う」 しかし私にはどうしてもその言葉の持つ意味が理解できませんでした。・
彼のダンゴは一風変わっていて、広島や山口ではご法度になっている赤土をベースにしたものでした。 ちなみにこ
の赤土は愛媛はもちろんのこと岡山や熊本などでも一般的に使われている代物です。 そのダンゴをしっかりと握り
締めて放り込みます。 私からしてみれば気が遠くなるような時間の後でゆっくりと浮きが浮きました。 ・
私の新たな気付き
その翌年に『黒鯛団子釣り名人への道』の竹下青年が訪ねてきて、『いつも海を見ていた』の田中青年と周防大島で
竿を並べました。 田中青年とはそれまで何度か周防大島でやりましたが、どのポイントに入っても何故かまともな
釣りにはなりませんでした。 田中青年もしかりでした。 ・
ところが今回は違っていました。 私はいつも通りマイポイントのダンゴを用意していましたが、彼は市販のダンゴ
をガチガチに握り締めて放り込んでいました。 竹下青年もそれに倣っていました。 私はいつも通りに足下を狙い
ます。 ところが当たらない。 たまに当たっても上がってくるのはベラばかり、しかも度々根掛かりを繰り返しま
す。 とても釣りになりませんでした。 ・
ところが田中青年は大物を次々と上げてきます。 「握れば握るほど当たりがありますよ」という彼の声にこたえて
竹下青年も上げてきます。 これで今夜の食材はできたけど、一体何が違うのだろうと考えました。 そんな時ある
ことに気がつきました。 「そうか、これって四国の釣友の釣りと同じなんじゃないか」 そして「チヌを寄せるの
と食わせるのは違う」という意味をおぼろげながらも理解しました。 ・
それからそれまでに聞いた様々の言葉を手繰っていきました。 そして辿り着いた結論は単純なことでした。 『海
域で使うダンゴが違ってくる』ということでした。 「ダンゴにはまず餌取りが群れる。 餌取りが諦めた後でチヌ
が寄ってくる」と何かの本で読んだことがあります。 つまり餌取りの少ない海域では私のダンゴで十分対応できる
のですが、周防大島のように餌取りが群れている海域では更にチヌに喰わせる工夫がいったということでした。 ・
最後に彼らに倣って自分のダンゴをガチガチに握った最後の一投にチヌが乗ってきたこともこの気付きに自信を持た
せています。 あと数回試行錯誤を繰り返せばきっと周防大島でもチヌを上げることができるに違いありません。・
いま密かにこんなことを考えています。 これが私のチヌ釣りにおけるダンゴ作りの変遷です。 ・
糠 | 12リットル | 私は自動精米機で頂いている。 計量には4リットルのコマセバケツが便利。 |
海砂 | 4リットル | 粗さは細かくても米粒くらい。 小豆大のものがかなり混じっていても平気。 |
荒挽きサナギ | 1キロ | 少し多めにして集魚効果を狙う。 細挽きである必要はない。 |
押し麦 | 200CC | 必ずしも多めがよいともいえない。 |
作り方
@先ず糠、荒挽きサナギ、押し麦をバッカンに移しよく混ぜます。 A次に砂を海水に浸し手で掬って水を切って@
に加えます。 B砂を半分加えたところで全体をよく混ぜ合わせます。 C更に残りの砂を加えて混ぜ合わせ、全体
を押さえつけては更に混ぜ合わせます。 蕎麦を畳み込んでは馴染ませていくあの要領と同じです。 Dダンゴの出
来具合を見て更に僅かの水を加えます。 この頃合はその場のその時の頃合になります。 もちろん釣りの最中にも
若干の水を加えつつベストコンディションに整えておくことが大切です。 ・
ハワセをやると浮きでダンゴの砕けを知ることができないため、私は着底した後で数を数えることにしています。・
1・2・3・・・・そして砕けた後の当たりに合わせるのですが、ダンゴの作りが均一でないと砕けるまでの時間が
ぶれてしまいます。 従っていつもダンゴのコンディションを均一に保つよう努めています。 ・
なぜ砂を濡らす?
バッカンに水を張り、その中に砂を放り込んだとき「何をなさるんですか」と田中青年が問いました。 糠と繋ぎの
砂が馴染めばいいダンゴになります。 そのためには、繋ぎとなる砂が十分に濡れていることが大切だと考えていま
す。 このためにいつの頃からかこういう操作をするようになりました。 しかもこれがとても上手く馴染むんです
ね。 ・
材料について
活性期には『さなぎ』だけで十分な集魚効果が期待できるので基本的に集魚剤は使用しません。 できるだけ安上が
りに楽しもうというわけです。 『さなぎ』には荒挽きと細挽きがありますが、細挽きは高価である上に『捌け』の
よさに劣ると考えています。 配合前に『さなぎ』に水を含ませる人もいますが、これも1つの方法でしょうね。・
現在は糠と砂の割合を容積比3:1でやっています。 例えば宮島沖の筏などの深場だと2:1にして素早く沈めて
しまうようなこともしますが、今のマイポイント程度の深さ(12m程度)だと、どうやらこんな割合で十分のよう
です。 だんだんと腰が厳しくなってこんな割合を思いつきました。 なお容積比2:1だと砂の量が随分多いよう
ですが、これでしっかりと纏まります。 ・
『押し麦』も必須アイテムです。 パンパンのお腹を割いてみると嫌というほど『押し麦』を喰っているのはご存知
の通りでしょう。 余程好物のようです。 ただ多ければいいかというと単純にそうとも言えないようです。 この
ようなことから私は『押し麦』も控えめ、全般にシンプルなダンゴで通しています。 ・
更に集魚効果を高めるとするならば・・・いま気になっているのは『パン粉』と『おから』。 『おから』は市販の
釣り餌としての『おからダンゴ』ではなく、豆腐屋さんで貰ってくるものに興味があります。 時としてアクロバッ
ト的に爆釣する人がいますが、聞いてみるとそんな中にこんなものを使っている人がいます。 応用編として試して
みてください。 私の『変形ダンゴの師匠』は逝ってしまうまで決して漏らしませんでしたが、何か白い粉を使って
いました。 私よりもっと近しい友人にも漏らさず逝ってしまいましたが、厳しい時の一味としてこんなものを何か
1つ持っていることは有利に違いありませんね。 ・
冬バージョンについて
最近は水温が上がって、冬場になっても夏チヌが上がってくるというふうになってきましたので、『冬バージョン』
が必要かどうか疑わしいですが、私は冬場に活性を上げる手段として『オキアミスライス』を使ってきました。 こ
れも程度問題で、多ければいいというものでもないように思っています。 『付け餌』と込みで1キロ持参しても精
々半分くらいを消費するに過ぎないよいう状況になっています。 ・