11月20日〜21日



ボランティア・ガイドが終わりました

11月20日
、今回は前回ガイドを含め連続4日間のご案内になりました。 正直、これで最後までもつのかどうか少々不安で
したが、結果から言えば、何とかやり通すことができました。 1日平均2万歩前後、少し自信にもなりました。 今回のお客
様はイスラエルからお越しになりました。 39歳の友達同士でお一人は運輸会社の副社長、もうお一方はIT関連の会社のマ
ネージャーだとおっしゃっていました。                                      ・

とてもfannyな方々で、道行く人にもどんどん声をかけていきます。 女子高校生の群れの中に割り込んで一緒に写真を撮
ったりしていました。 20日はまず宮島に向かいました。 潮に恵まれましたのでもちろん『大鳥居遊覧』からのスタートで
す。 少し遅めの出発にしましたので『第2便』を予約していましたが、新幹線にお迎えして以降、意外とスムーズに動けまし
たので『第1便』に間に合わせることができました。                                ・

『遊覧航路』は貸し切り状態でした。 『大鳥居』や『厳島神社』の概要はJR内で概ね説明しておきましたので船内ではデッ
キから写真を撮って頂くことに専念して頂きました。 『大鳥居』に近づくまでは安全のため客室内に止まっておいて欲しいの
ですが、出港と同時にデッキに出てカメラを構え始めました。 こうなってはどうにも黙ってみておく以外に手がありません。
とはいえ、安全管理も大切ですから「まだ、舳先には行かないで!」とか、他の船がよこす波を見ながら「柵に掴まって!」と
か、まぁ落っこちないように注意を払います。                                   ・

 

『大鳥居』周辺では「beautiful!」とか「amazing!」とか「thank you!」とやかましく口走りな
がら楽しんでおられました。 また、フェリーの乗客や『櫓櫂舟』にも大声で声をかけたりして、なかなか忙しい方々でした。

宮島に上陸してすぐに商店街を通って『厳島神社』方面に向かいました。 ふらりと立ち寄った土産物店で彼らがお土産を物色
している間に商店街の人の流れが急に滞り始めました。 今日も大変な人出のようです。 そんな様子を見て、前回と同じよう
に早めに昼食を済ませて後はゆっくりと観光コースを回ることにしたのですが。 ところが1つ問題が。 この人達はポークと
シーフードは全く食べないといいます。 しかもスパイシーフードやピカンチーもダメだといいます。 とすると宮島で食べら
れるものを探すとするとこれはなかなか厄介なことです。 散々探してやっと『唐揚げ定食』にたどり着きました。    ・

『千畳閣』や『五重塔』それに『厳島神社』にはさして深い興味をお持ちのように見えませんでした。 むしろそこから見える
秋の移ろいに興味を示されたり、どうも『人』に深い関心がおありのようでした。 お国では地中海沿岸にお住いのようですが
『落葉』というような際立った自然の変化には乏しいようにお伺いしました。                     ・

 

ただ、『大聖院』は驚きの連続だったようで、前回と同じように『五百羅漢像』『戒壇巡り』『摩尼殿』それと『大師堂』にご
案内したのですが、『五百羅漢像』では寝そべるようにして次々と写真を撮っておられましたし『摩尼殿』では花頭窓を開けた
途端に息を呑んでおられました。 また『戒壇巡り』の後では真剣な表情で「神秘的で素晴らしいものを見せて貰った。」と感
謝されたりしました。                                              ・

もちろんお国の宗教の事も考えておかなければなりません。 神社とお寺を案内するにあたり、「これから神道と仏教のご案内
になりますが、このような話をしても大丈夫ですか?」とお尋ねすると、「no problemだ。」というご返事でしたの
で、いつも通りの気楽なご案内となりました。 (この地域の宗教を巡る問題は極めて複雑ですから。) こうして20日のご
案内は終わり、宮島口駅までお送りしてお別れしました。                              ・

19日は先ずは『MAZDA museum』からスタートしました。 今まで私が担当したイスラエルの方達(今回が3回目
でした)は一様に『MAZDA museum』に向かわれました。 もちろん欧州車も輸入していますが、日本車がかなりの
比率を占めているそうで、中でもマツダ車がトヨタを抜いて抜群の人気を誇っているのだそうです。           ・

広島駅でお目にかかり、向洋駅で下車、徒歩5分でマツダ本社ロビーに到着します。 ここで受付を済ませ、送迎バスに乗って
ミュージアムに向かいます。 ミュージアム内の見学は正味1時間、初期の三輪自動車から最新のロータリー車までの展示、工
場内の組み立ての様子、それに専用港などが見学できます。 この間私は本社ロビーの喫茶室でコーヒーを頂きながら帰りを待
っていました。                                                 ・

戻ってきた彼から聞いた話ですが、見学者の60%がイスラエル人だったそうです。 彼らのフィーリングによく合っているの
でしょうか、イスラエルの人はマツダ車がお気に入りのようでした。 本社ロビーでは『ロードスター』や『アクセラ』を眺め
てみたり乗って見たりして感覚を確かめていましたから、expensiveとは言っていましたが帰国後に新車を買う予定が
あるのかも知れません。                                             ・
 

見学後はすぐに『お好み村』に向かいました。 『おこのみ村』3階にあるこのお店とはもうすっかりお馴染みになりました。
若い女性店主にはいつも無理を聞いて頂いています。 今回のように豚ダメ、シーフードもダメなようなお客様でも何とか工夫
をしながらアレンジして頂けます。 今回は『チーズ焼き』と『野菜と鶏のソテー』でもてなして頂けました。 お二方も随分
満足されたようで、料金に上乗せをして店主をドギマギさせていました。                       ・

 

それから『縮景園』に向かい、日本庭園の落ち着いたアレンジメントを楽しんで頂き、『広島城』のoutsideから水面に
映り込む天守閣をご覧いただいて『平和公園』に向かいました。 『平和資料館』の見学はお客様任せにして、私は1階のソフ
ァーに座って少し身体を休ませました。 これで4日間にわたる今回のガイドを無事終えることができました。 最後に平和公
園脇のホテルまでご一緒し、求めに応じてハグをしてお別れしました。                        ・


















































11月18日〜19日



ボランティアが終わりました

今回のお客様はオーストリアはウィーンからでした。 実は直後に他の方からの依頼を受けていて、体力的にかなり厳しいかと
思ったのですが、ウィーンからお越しになると聞いて是非お話しをしてみたいと思いお引き受けしました。 もう10年以上も
前のことになりますが、娘がウィーンに留学していました。 その機に『菩薩様』と一緒に娘のアパートに泊まり当地のクリス
マスを楽しんだことがあります。 その時の様々な経験や印象をお話ししその時の思い出を偲んでみたいと思ったのでした。・

18日は遅い出発でした。 「前夜遅くに広島に入るので、朝はゆっくりして遅いブランチにしたい。」と希望されていました
ので、10時45分に宿にお迎えすることにしていました。 お2人は会社の同僚で、お一人はオーケストラの取材で世界中を
飛び回っています。 もうお一人はカルチャーと出版を担当されているそうで、とても気さくなお2人でした。      ・

寒い朝で、時にパラパラと小雨が落ちたりしていました。 「寒いですね。 でもこの時期、ウィーンはもっと寒いんでしょう
ね。」と水を向けると、「ウィーンを知っているのか?」と急に話題が盛り上がりました。 街全体がまるで博物館のように美
しかったこと、国立歌劇場の『モーツアルトの間』(ロイアルボックス周辺で観劇する人しか入れない構造になっている)の豪
華さに驚いたこと、リンクに沿って市街を一周したこと、名物のビエナ・シュニッチェル(豚肉を薄く延ばして衣を付けて揚げ
たもの)が美味しかったこと、街路は綺麗だけど並木の根元の土の部分の雪の下は犬の糞だらけで、知らずに踏んでしまったこ
となどなど。                                                  ・

それから例によって『お好み村』に向かいました。 これは私の必須の観光コースの一つです。 3階の奥にあるお馴染みの店
に座って、今回は『シーフード焼き(中華麺)』と『チーズ焼き(うどん)』をシェアして召し上がっていただきました。 珍
しさ、温かさも手伝って皆さんに喜んで頂けますが、この店の女性店主の朗らかさや気配りも一味になっています。 皆さん一
様に「美味しい。」といって召し上がられます。 もちろんこの人達も。                       ・

 

それから『縮景園』に向かいました。 『縮景園』の紅葉は今が見頃です。 特に『秋』をモチーフにした西エリアの『超然居
』(四阿。 写真左奥。))から『夕照庵』(一番小さな茶室。 この写真の更に右手にあります。)周辺までの『たくえい池
』に映り込んだ紅葉には言葉を失います。 「お国ではこのような紅葉が楽しめますか?」とお尋ねすると、「針葉樹が中心で
このような紅葉は見られない。 ただ、ウイーン市内に日本庭園があり、そこでは落葉も見られる。」のだそうです。   ・
 
 

広島城ではこんなことも楽しんでいただきました。 天守閣の1階に体験コーナーがあり、和服や鎧兜を試着できます。 最初
は「いいよ、いいよ。」と尻込みしながら、次第に乗ってきてこのポーズでした。 鎧は流石にこの体型では無理なようでした
が、それでもご覧のように結構得意満面でした。 続いて平和公園にご案内し今日の日程を終えました。         ・


 

翌19日は宮島です。 夕刻までに京都に行ってあちらで夕食が食べたいという希望でしたので少々急ぎました。 9時に広島
駅で落ち合い、荷物をコインロッカーに預けて宮島に向かいました。 そして大野桟橋から大鳥居周辺を遊弋しました。 巨大
な木造建築物が海中から突っ立っているのに驚かれ、大鳥居の真下に入りその威容に驚かれ、850年に及ぶ歴史に驚かれ、「
素晴らしい(旅の)アレンジメントだ。」とお褒めを頂いたりしました。                       ・

 

宮島は今日も大変な人出でした。 『安芸の宮島』にかけて『秋の宮島』というくらいですから紅葉の時期はつとに有名です。
「これでは昼時になると食堂に入れなくなってしまいます。 少し早いですが先にお昼を食べてからゆっくりと見学しませんか
?」とお勧めして商店街の食堂に入りました。 正解でした。 食事を終えて店を出たときはまだまだ昼前でしたが、もう店の
前には長蛇の列がありました。 それから人ごみの中を泳ぐようにして『千畳閣』に向かいました。           ・

後はお定まりのコースです。 『千畳閣』『五重の塔』から『厳島神社』。 『厳島神社』では写真撮影のスポットをお示しし
ながら景色を楽しんで頂き、神道形式のお参りを体験して頂き、『火焼前』で記念写真を撮って、次は『大聖院』です。 山門
から左に折れて、小径に沿って延々と並ぶ様々な表情の『五百羅漢』を見ていただき、観音堂地下で『戒壇巡り』を経験してい
ただきました。                                                 ・

『戒壇巡り』にはカルチャーショックを覚えられたようで、驚きの表情と共に「素晴らしい。 あなたに案内して貰ってよかっ
たよ。」と興奮気味に話されました。 続いて『摩尼殿』二階に上がっていただき、ここからの『厳島神社』『千畳閣』方面の
眺め、また『白糸の滝』や山腹の『自然林』を楽しんでいただきました。 『遍照窟』もご覧いただきました。 四国八十八か
所の本尊(石仏)が安置してあって、四国を回れなくてもここで八十八本尊を拝むことができます。 信者には結構人気のある
スポットです。                                                 ・

「もう少し時間があるじゃぁないか。 もっと見せてくれ。」というのを、「ゆとりを持って動きましょう。 予定のフェリー
に乗れなければ新幹線にも遅れてしまいますよ。」と無理やり引っ張って宮島口に向かい、今回のご案内を終了しました。 た
だ、私には明日からの2日間のご案内が待っていて、まだまだ気を緩めるわけにはいきません。             ・



































10月31日


思わぬことから・・・ボランティア・ガイド

「まだ早いとは思うが、宮島の紅葉はどうだろう?」と思って出かけてみました。 10時前、随分遅い出発でした。 実は今
夜ワシントンDCにお住まいのご婦人と定例の『おしゃべり』をすることになっていて、ガイドでお連れした辺りの景色の移ろ
いを話題にしようと情報収集に出掛けたのでした。                                 ・

『もみじ谷公園』のもみじは予測通りまだまだでした。 ほんの一部に赤くなっている部分もありましたが、紅葉というより傷
んでいるといった方がいいようなものでした。 『もみじ橋』の辺りが思い出深いと思われましたので、もみじではありません
が、話のタネに2、3枚写真を撮っておきました。                                 ・

 

それからゆっくりと頂上を目指しました。 せせらぎと小鳥の鳴き声を聞き、あちこちに目をやりながらゆっくりと登っていき
ました。 時間や人と競うことなく歩を進めると今まで見過ごしていたものの多さに気付きます。 何か新鮮なものを見付ける
ように原生林の1本1本の木立やふかふかの腐葉土を眺めたりしました。                       ・

そうこうしているうちに前を歩いていくカップルに気がつきました。 どうやら外国の方のようでした。 追いつくと立ち止ま
って「お先にどうぞ。」というふうににっこりと挨拶をされました。 笑顔がとてもフレンドリーでした。 そこで「どちらか
らお出でになりましたか?」とお尋ねすると「デンマークからだ。」と言われます。 デンマークにはデンマークの言葉があり
ますが、奥様は流暢に英語を話されます。 数か国語を話す翻訳家のようでした。                   ・

それから今までの旅の事、お国のことなどを話すうちに何となく意気投合して、「もしよかったら『弥山山頂』と下って『厳島
神社』『大聖院』にご案内します。」と申し出たらとても喜ばれて一緒に登っていくことにしました。 立ち止まって絶景ポイ
ントをお示しすると、「オォ〜!」と感嘆されていました。 でもまだまだこんなものじゃない。 頂上からのパノラミック・
ビューにはきっと仰天されることでしょう。                                    ・

『霊火堂』まで登りここで一休み。 茶釜からお湯を掬ってのんで頂き、『霊火堂』の謂れを説明して頂上に向かいました。・
頂上ではやはり驚きの連続のようでした。 ご主人67歳、奥様68歳、私も同じですが、老齢に鞭打って登られただけにその
感動は一入のようでした。 暫くはお二人でゆっくりと景色を楽しんでいただきました。 こういう時には余りしゃしゃり出な
いのもガイドのテクニックかなと思い始めています。                                ・

『大聖院コース』を下られる予定でしたのでそちらを辿り、『大聖院』にご案内しました。 山門から石段を登ろうとするのを
引き留めて、まず最初に『五百羅漢』をご覧いただきました。 流石に驚かれかなりの質問攻めになりました。 それから『観
音堂』にお連れし、「私がここでご案内したいのはこちらです。」と『観音堂』地下の『戒壇巡り』にご案内しました。 こち
らは感動というより、信じがたい経験にいささかショックを覚えられたご様子でした。                 ・

 

なかなかよく勉強をされていて、道すがら『四国八十八か所』とか『弘法大師』の話をされていましたので『遍照窟』にご案内
し『四国八十八か所』巡りを体験していただいて『厳島神社』にお連れした後で『大鳥居』の前でお別れしました。 ふとした
出会いからボランティア・ガイドに発展した最初の経験でした。 まぁ自分達だけで歩きたい流儀の人も多いでしょうからなか
なか難しいことでもありますが、こんなガイドもあっていいかなと思っています。 そして深夜、ワシントンDCのご婦人と宮
島での思い出話しとこんな経験談に花が咲いたことはいうまでもありません。                     ・































10月16〜17日

飛び込みボランティア・ガイド

10月13日のブログに「さて次回は来月にイスラエルのguysのご案内になります。」と書きました。 先月末から今月に
かけて多くのお客様をお迎えしました。 またお客様のトラブルでメディカル。・アシスタント代わりも勤めてかなり疲れてい
ましたので、これで暫く休養できると思っていましたが、そうはいきませんでした。                  ・

13日の夜になって女性名でガイドの依頼が飛び込みました。 開いてみると「岡山県の直島で出会ったオーストラリアのご夫
婦から照会されました。 広島に行くならあの人の案内がいいから依頼をしてみてはどうかと言われました。 いいですか?」
という内容でした。 「できれば2日間、オーストラリアの方と同じコースをお願いしたい。」とも。 疲れてはいましたが、
予定はありませんでしたので「お受けします。」と返信しました。                          ・

ところが、気を揉むこと、早速広島駅への到着時刻、宿泊先のホテル、食事(食べられないもの)、顔写真の送付などをお願い
したのですが、やっと前夜になって到着時刻と写真、それにホテル名が送られてきました。 いやいや、終いには「こんなこと
で、いつどのようにして出会えばいいのですか?」と詰問するような状態でした。 送られてきた写真には髪を紫色に染めた東
洋人らしい若者と、髪をちょんまげのように巻き上げ、眠そうな若い女性が映っていました。 最初は一人旅だと言ったのに。

「ワ〜、これはえらいものを引き受けてしまったかも知れないナ」と後悔しました。 でも偏見を持ってはいけないでしょう。
受けた以上は誠意を持って対応しなければ。 これは観光立国を目指す我が国へのささやかな貢献なんですから。 なんてこと
を思いながら広島駅に迎えたところ、見かけと違ってなかなか気さくな好青年達でした。 彼女Natashaさんはロンドン
から、彼Chenさん(台湾系アメリカ人)はロスアンゼルスから。 直島のゲストハウスで意気投合し今日明日と行動を共に
されます。                                                   ・

16日

9時35分に新幹線の改札口に迎え、早速『縮景園』に向かいました。 園内では説明文を1つ1つをチェックしながら進んで
いかれます。 扁額の文字とか、花の名前とか、細やかな質問もありました。 私の方からは『feudal load』が理
解して頂けているか確認しました。 『藩主』のことですが、今までちゃんと理解して貰えていたかずっと不安でしたので彼ら
に確かめてみたところ「分かります。」と言ってもらえて安心しました。                       ・

今日はお昼の『お好み焼き』は12時から。 ちょうど修学旅行のシーズンになっていますからその計画の一環として広島のロ
ーカルフードを『お好み村』で味わう学校が多いです。 その予約が1時から入っていましたのでいつもより少し早めに入りま
した。 
彼はsea foodが大好きで、ベーシックな『ソバタマ』に牡蠣をトッピングしていました。 彼女は何故か『う
どん』にチーズでした。 私は彼に倣いベーシックに牡蠣をプラスしました。                     ・

 

やがて小学生が大挙して押しかけてきましたので、追い立てられるように平和公園に向かいました。 『平和資料館』では私は
説明しません。 「メインの展示物はパネルで英語の説明が付いています。 それをご自身で読んでください。 私は1階でお
待ちしています。」 このようにお話しして1階のシートに座って待っています。 1階には数は少ないですが被爆者の遺品や
被爆の際の遺物などが展示してあります。 最後にこれらをご覧いただいて『平和資料館』のご案内は終了です。     ・

たいていの人が大体30分くらいで見学を終えて1階に降りてこられます。 ところが1時間経っても彼らは降りてきません。
心配になって新着展示コーナーやオバマ前大統領が折った『折り鶴』がある地下に降りてみたりしました。 1時間半近く経っ
てやっと姿を現しましたので聞いてみると、じっくりと説明文を読んだり、タッチパネルなどで更に理解を深めたようです。・

「お若いのに大したものだなぁ。」とちょっと感心しました。 このように被爆の実相、更には我が国の歴史や文化に関心を持
っていただけると案内人としても力がはいります。 そんなこともあって、かなり遅くなりましたが、それからライトアップの
広島城天守閣を外周からご覧いただきました。 この眺めはなかなか素晴らしいです。 特に北西角から眺める水面に映り込む
天守閣の眺めには暫く足を止めておられました。                                  ・

 


17日

今日は宮島のご案内。 10時30分に宮島口駅で待ち合わせました。 今回は潮位の関係で『大鳥居遊覧』は取り止め、代わ
りに『ナイトクルーズ』を楽しんで頂きますので、いつもより随分遅い出発としました。 宮島口駅に現れた2人は何と4人の
友達を連れてきていました。 皆さん昨夜ホステルで知り合った若者ということでした。                ・

こういう宿に宿泊しながら旅を続ける人はオープンマインドということもあるでしょうが、基本的に『人間が好き』な人達なの
でしょう。 皆さん古くからの友達のように和気藹々なのでした。 名前は憶えていませんが、イギリス、ドイツ、ノルウェー
から来られた若者達でした。 ただ、私としてはこれから山に登るのに、これは(全体に目を配るのは)ちょっと厄介だなぁと
思いましたね。 そこで、「Chen君、同行はOKだけどこの人達のコントロールは君に任せるよ。」とお願いしたことでし
た。                                                      ・

今日の予定は『弥山登山』、下って『千畳閣・五重塔』『厳島神社』『大聖院』と回り、ここで4人の若者とお別れして『ナイ
トクルーズ』にご案内します。 昨日の雨と打って変って今日はまずまずの天気です。 遅い出発にはお昼には晴れるという読
みもありました。 ロープウェーを使い、『獅子岩』からおしゃべりをしながら山頂を目指しました。 この人達の口は止まる
ところを知りません。                                              ・


 

山頂展望台から暫く景色を楽しみ、それからベンチに腰掛けてお昼のお弁当にしました。 広島駅で『あなご飯弁当』を買って
くるように依頼しておきましたから、皆さんのお弁当はみな同じです。 この人達に限らず、私がお連れした皆さんは『あなご
飯弁当』を「美味しい!」といって食べます。 日本の古典的な料理の珍しさということでもあるでしょう。       ・


 

最後に『ナイトクルーズ』にご案内しました。 『大鳥居』や『厳島神社』がライトアップされていてとても幻想的です。 
がいいと
クルーズ船は『大鳥居』を潜ります。 これがまた観光客の人気を誘う呼び物となっているようで、このところ大繁盛
なのだそうです。 確かに感動的な眺めです。 彼らも随分驚いて写真を撮りまくっていました。            ・

 
 
そして宮島口駅にお送りし今回のご案内を終えました。 後日彼らの仲間の1人から感謝のメールが届き、大鳥居と鹿の写真が
送られてきましたのでご紹介します。                                       ・



























































 
 

10月11〜12日



ボランティア・ガイドが終わりました

10月11日〜12日、ボランティア・ガイドが終わりました。 今回のお客様はオーストラリアから。 メルボルンの北西約
100キロ、バララットからお見えになりました。 ご主人は64歳、奥様は70歳、とても穏やかな方々でした。    ・

駅裏のホテルでお目にかかり、いきなり「スチュアートをご存知か?」と問いかけられました。 スチュアートさんは昨年11
月に広島・宮島をご案内した若いご夫婦でした。 「彼から私を紹介されたと聞きましたので、お若い方かなと思っていました
が、送って頂いた写真を拝見して(ご年配でしたので)驚きました。 どういうご関係なのですか?」とお尋ねすると、「彼ら
はお隣さんだよ。 彼はスコットランドから来て、今は牧畜をやっている。 牛を沢山飼っているよ。」と話してくれました。

11日は宮島にご案内しました。 9時半にホテルロビーでお目にかかり、広島駅で『あなご飯弁当』を買って出発しました。
早朝は随分雲が厚いように見えましたが、「大丈夫、昼までには晴れる」と見て(天気予報も確かめて)弥山に登り頂上でお昼
を食べて頂くことにしました。 先ずは『大鳥居遊覧』です。 これは是非とも見せて差しあげたい風景です。 ただ、潮回り
が余りよくなく、大鳥居の真下に入ることはできませんでした。 それでもまずまずご満足のご様子でした。       ・

前もってケーブルカーのターミナルから山頂までの登山道の様子を紹介しておきました。 「大丈夫です。 ゆっくり登ってい
きます。」という奥様のご返事でしたので計画に組み込みました。 ところが峠まで300mを下って登りにかかり、200m
程登ったところで息が切れたご様子でポケットから酸素スプレーを取り出し吸引されました。 「私はここから引き返すので2
人で登ってきてください。 待合所で待っています。」と言われましたが、お1人では危ないと思いターミナルに引き返すこと
にしました。                                                  ・

ターミナルから山頂に霧が立ち込めるのを見て、結局登頂は諦め『獅子岩展望台』で景色を楽しんで頂くことにしました。 『
獅子岩展望台』からの景色もなかなかのものです。 それからお弁当、神戸からお見えになっていたご婦人のグループと歓談し
ながら『あなご飯弁当』を楽しんでおられました。 『霊火堂』や『くぐり岩』などの不可思議な弥山の魅力に触れていただく
ことはできませんでしたが、この景色に十分に満足されたご様子でした。                       ・

 

下って『厳島神社』『大聖院』をご案内し、ホテルまでお送りして今日のスケジュールを終えました。 『大聖院』に至った時
に「お寺まではあとどれくらい登るのか?」と聞かれました。 相当脚にきているご様子でした。 そこで、明日のスケジュー
ルを少し遅らせるように提案しました。 一瞬顔がほころびたちどころに提案に同意して頂けました。          ・

12日は10時半、予定より1時間遅れでホテルにお迎えしました。 平和公園をご案内中はずっと小雨でした。 それぞれの
モニュメントをご案内し、最後に『国立広島原爆死没者追悼平和祈念館』にご案内しました。 ここにご案内することは滅多に
ありませんが、「平和公園の地下のトンネルが見たい。」とおっしゃっていたので、きっとこの施設のことだなと思いご案内し
ました。 地下には被爆後の広島の爆心地から眺めた悲惨な風景を、同年に亡くなられた被爆者140000人と同数のタイル
で描いてあります。 それとともに亡くなられた方々の遺影が(ご遺族の希望で)安置してあります。          ・

それから資料館の展示をご覧いただきお『好み村』に向かいました。 『お好み焼き』は是非味わって頂きたい広島の郷土料理
です。 奥様は玉ねぎとキャベツが全く食べられないそうなので、店長に相談すると別メニューを準備してくれました。 鶏、
ナス、トマト、里芋、椎茸などの多彩な食材を使った『野菜炒め』で、かなりの量でしたが大喜びですっかり平らげておられま
した。 気の利いた店長と意気投合しお互いにフェースブックのアドレスを交換しておられました。           ・


 

その後『縮景園』まで歩き、園内を周遊して広島駅でお別れしました。 お別れに持参されたお土産を頂きました。 オースト
ラリアの珍獣などを図案化したとてもきれいな『コースター』でした。 いい記念になります。 有難うございました。  ・

 

こんなことで恙無くご案内を終えましたが、敢えていえば1つ。 奥様はニュージーランドのご出身で発音に特徴があるようで
した。 ご主人(オーストラリアの方)とは比較的スムーズに会話ができたのですが、奥様の英語は分かりにくく時に会話がつ
ながりませんでした。 また私の英語はジャパグリッシュですから、時に先様に伝わってないことがあるようでした。 質問さ
れて、「それってさっき説明したでしょう。」と思うことがありましたから、分からない部分は聞き流していたのではないかと
思ったりしました。 さて次回は来月になりますが、イスラエルの方のご案内になります。               ・







































9月25〜26日


ボランティア・ガイドが終わりました

ドバイから若いカップルがお見えになりました。 今月16日に結婚されたばかりの新婚さんで、ドバイでは保険会社で働かれ
ています。 お二人ともイタリアンで、シチリア島とコルサ島の出身だそうです。 昨年夏にやはりドバイから来られたカップ
ルが彼らの友人で、「広島に行くならあの人のガイドが面白いよ。」と紹介されたんだそうです。            ・

このところ、またまたクラブを通さないで『口コミ』で聞いて直接依頼をうけるケースが増えています。 実は次回10月11
日、12日にお受けしているオーストラリアの老カップルもその直接依頼組です。 しかも念がいっていて、一昨年ご案内した
人からの紹介で昨年お出でになった方がおられて、更にその方から紹介されたのだそうです。 英語が流暢ということでもない
し、話が上手いわけでもないのに何故なんでしょうね。 でもまぁこうしてご指名に預かるのは嬉しいことです。     ・

今日は午前中は前回のカナディアンのメディカル・アシスタントでした。 4時半起き、7時前にホテルのロビーで落ち合って
病院に向かい、受付、点滴を済ませてドクターの診察。 皮下に膿が溜まっているので切開するといいます。 その現場も外す
わけにいかず最後までお付き合いしてホテルにお送りし、ドバイ組を迎えることになりました。             ・

さてドバイ組です。 合意したスケジュールでは11時35分広島着だったのですが、「遅れる。」と連絡が入っています。・
高野山から難波、それから新大阪ですから無理はないかなと前もって折込済みでしたが、更に遅れて13時35分着だといいま
す。 12時35分ならまずまず何とかなると思っていましたが、これではとても時間が足りない。 お昼に『お好み焼き』を
食べて頂いて『平和公園』『縮景園』の見学となるととても無理です。 結局お昼を抜くことになり、いつものお店に断りを入
れました。 聞くところによりますと、今朝高野山で何かイベントがあったみたいで、それを見物していたんだそうです。 ・

宿は宮島口でした。 彼らは宮島島内に宿があると思っていたようで、少し落胆されていましたが「宮島の景色を楽しむんだっ
たら対岸からの眺めでしょう。」とお話しすると随分納得されていました。 26日は早朝に宿にお迎えしました。 昨夜お別
れする時に「明日は9時20分に出発します。」と念を押していたのに、35分を回っても降りてきません。 ついにホテルの
スタッフに電話で確認してもらう始末でした。 どうもこの人達には約束や時間を守るという意識が薄いようにお見受けしまし
た。 国民性かなぁと思ったりします。 そういえばNOVAの教材で、30分くらい遅れるのはノーマルだと読んだことがあ
りましたなぁ。                                                 ・

平然と降りてきましたので、度重なる遅刻にチクリと小言を言ってからタクシーで『大野桟橋』に向かいました。 奥様は写真
マニアです。 遊覧船が大鳥居に近づくともういてもたってもいられないという風にデッキの出口でカメラを構えます。 遊覧
船の添乗員から許可が出ると早速デッキに出て、立ったり座ったり果ては寝転がったりして撮影していました。      ・

 

『千畳閣』でも『厳島神社』でも『大聖院』でも私の説明は殆ど聞いていませんし、動きにもついて来てくれません。 いつも
なら当然お客様の動きに合わせるのですが、この人達のスケジュールはとてもタイトです。 島内では僅か3時間、1時過ぎの
フェリーに
乗らなければ予定の新幹線に間に合いません。 それでこちらは焦っているのですが、『厳島神社』での結婚式の様
子や『大聖院』の五百羅漢像の前からはカメラを向けたまま全く動いてくれません。                  ・

とうとう痺れを切らせて、「こんな調子では予定の新幹線に間に合いませんよ。」 ついには「私の動きに合わせて下さい。」
と懇願する始末でした。 いや、少しきつかったかも知れません。 それでもまだ『焼き牡蠣』を食べたがったり、緑茶を買い
たがって店に入ったまま動こうともしなかったり、いやはや大変なご案内でした。 そして辛うじて予定時間に宮島口駅にお送
りしてやっと肩の荷を下ろしました。 ちょっと痺れるご案内でした。                        ・






































9月22〜25日



ボランティア・ガイドは終わりましたが・・・・・・

カナダからご夫妻とご子息がお見えになりました。 今回も前もってスケジュールをお送りしていました。 22日は広島市内
のメジャーな観光地、それに温泉を希望されていましたので楽々園にある『ゆらゆら』にご案内することにしていました。 そ
して23日は潮に恵まれましたので『大鳥居遊覧』、それから弥山登山、厳島神社、大聖院にご案内する予定でした。   ・

今回もいつも通りに順調にいくはずだったのですが・・・ところがです。 前夜になってメールが入りました。 「主人が感染
症に罹り深刻な状況になっている。 いま大学病院に来ているが医師とコミュニケーションが取れない。 皮膚科または外科の
当直医がいなくて治療をして貰えない。 これからホテルに戻る。 助けてくれ!」といってきました。 すぐに夜間診察可能
な外科医を探し出し、病院に連絡して手筈を整えてからホテルに連絡しました。                    ・

奥様は平常心を失っているご様子で早口でまくしたてます。 そんなに早口じゃこちらは聞き取れない。 どうやらその病院で
治療が受けられるかどうか保険会社に問い合わせる必要があるみたいです。 病院名、住所をお教えしていつでも出発できるよ
うに身支度を整えて連絡を待っていました。 午前2時過ぎになって、「保険会社は市民病院を指定してきた。 今夜は痛み止
めで耐えて明日早朝に急患として病院に入る。 言葉が通じないので7時半に病院まで来てほしい。」と連絡がありました。・

こういうところで初対面というのは初めてでした。 そして受付、採血、点滴、診察と手順は進んでいきます。 やはり通訳は
必要でした。 医師も看護師もどうも英語は苦手なようでした。 そういえば今朝コンタクトを取った別の病院も、外国の方だ
と聞いて、「通訳してくれる人がついていてくれるなら診察に応じる。」と言われました。 私にとっても初対面にいきなりで
相手の発音に慣れてない上に更に馴染みのない医学用語ですからちょっと汗顔ものでした。               ・

それから25日の午前中まで毎朝治療にお付き合いしました。 2日間の予定が結局4日間になり、その間治療の後でご主人を
ホテルに送り届けて奥様とご子息を広島と宮島にご案内しました。 ご主人は結局初日の診察の後でお好み村で『お好み焼き』
を楽しんでいただいただけで、それからはずっとホテルに止まることになり、広島観光は病院観光になってしまいました。 ・

 

子息は相当にお疲れになったご様子で、今日はホテルに止まっておられます。 奥様はチーズ焼き、ご主人と私はベーシックで
した。                                                     ・

ガイド点描

23日の治療が終わった後で奥様とご子息を縮景園と平和公園にご案内しました。 縮景園では清風館から回り込んで『たくえ
い池』を見た途端にその美しさに感嘆されました。 盆栽仕立ての庭木、茶室の佇まいにもbeautifulを連発されてい
ました。 また竹林にはことのほか興味を示され、暫く見入っておられました。                    ・

 

foreignerは皆さん鯉の餌やりがお好きです。 この時ばかりはどなたもまるで童心に戻ったように見えます。 この
人達もこのように随分楽しんでおられました。 私は毎回鯉の餌(100円ですけど)をプレゼントするようにしています。・

爆心地をご案内してよく受けるのは原子爆弾は『原爆ドーム』に落ちたのではないのか?」という質問です。 今回のお客様も
そのようにお考えのようでした。 爆心地は原爆ドームとは違います。 投爆のターゲットは『相生橋』でした。 T字形の特
徴的な橋で、目印として分かりやすかったようです。 それが少しずれて島病院の上空で炸裂しました。 『相生橋』からは2
50m、原爆ドームからは150m離れています。 こんな説明をしました。                     ・
 

このところ当たりがいいというか、皆さんいい潮に恵まれています。 今回のお客様もいい潮に巡り合って『大鳥居遊覧』にご
案内できました。 『大鳥居』周辺を遊弋します。 皆さん感動されますね。 『大鳥居』が本来の表参道であること、またそ
のサイズ等は出船前に十分にお話ししておきました。 専属の添乗員の船内での説明は概ね日本語中心です。       ・

 

宮島に来て(きっと日本中どこに行っても)シーフードのない料理を見付けるにはかなり難儀をするでしょう。 今回のお客様
は大丈夫、殆ど何でも召し上がられます。 奥様はエビフライカレー、ご子息はアナゴと野菜の天婦羅丼』を召し上がられま
した。 食事の心配をしなくていいというのは誠にもってありがたいです。 今回はこんなご案内でした。        ・























9月 7日



インド北部からお見えになりました

『ドッカ〜ン!』という凄まじい轟音で目が醒めました。 一瞬、「北朝鮮の野郎、ミサイルを打ちやがったか。」と思いまし
たが、暫くしてにカラカラと続きましたので「雷かぁ!」と安堵しました。 こんな大音響は今までに聞いたことがありません
でした。 5時頃だったかなぁ。 今日はお客様を8時に『平和公園』脇のホテルにお迎えしますので、5時半に目覚ましをか
けていましたから、目覚まし代わりといえばまぁそんなものでした。                         ・

今回のお客様はインド北部からお見えになりました。 姪御さんを介して情報交換をしていましたので、なかなかこちらの思い
が伝わらず、結局お目にかかるまでお国が分かりませんでした。 お国が分かれば事前に地理的な位置や気候、歴史、文化、有
名な観光地などを調べておいて会話を充実させることができます。 それで一気に会話が盛り上がって親近感が増すということ
がままあるのですが。 そうはいっても決して白けた雰囲気が漂うということではありませんでしたけれど。       ・

広島は昨日ご自身で散策されていましたので、今日は宮島だけのご案内でした。 姪御さんからは夜余り遅くならないうちに東
京まで届けて欲しいと依頼を受けていました。 東京駅に迎えに見えるようでした。 少し遅くはなりますが、21時過ぎの東
京着でご了解をいただきました。                                         ・

8時にホテルを出て広島駅のコインロッカーに荷物を預け、9時の電車に乗って前空駅に向かい10時15分の『大鳥居遊覧航
路』の1便に乗ると10時40分に宮島着。 それから『千畳閣』→『厳島神社』→『大聖院』を歩き、その間に昼食を摂って
予定通りに東京に送り届けるとなると時間的にかなり厳しい。 宮島発15時前のフェリーがぎりぎりの線になります。  ・

 トラブル続き

そういう時間の制約もさることながら、今回は様々なトラブルがありました。 まず言葉です。 インドの方(この方の地域特
有のものかも知れません。)の訛りはまた独特のような気がします。 巻き舌で語尾に何かくっつくようで、なかなか聞きとれ
ません。 何度も聞き返しました。 ただ、こちらの話すことはちゃんと聞き取って頂けたようでした。         ・


 

雨に降られました。 特に『大鳥居遊覧航海』は雨と靄の中でした。 『大鳥居』にはいつも通り接近できましたが、フェリー
の動きが見えず航路を横切るのが危険で、一時は「引き返そうか。」という話になりかけたりしました。 引き返せば見学時間
はもっと短くなってしまいます。                                         ・

私はいつも通りに歩いているのですが、どうも遅れがちです。 最初は気が付かなかったのですが、脚がお悪いようでした。・
『大聖院』では登山口に置いてあるステッキを使っておられました。 時間が限られる中、仕方がないことと思いながら「もう
ちょっと急いでもらえないかなぁ。」と焦ることもありました。 まぁ押し殺していましたが。             ・

食事のことです。 事前の確認メールでは「特に制約はありません。」と伺っていたのですが、「シーフード、牛肉、豚肉はダ
メだ。」と言われます。 「宮島に来てシーフードが食べられないんじゃ、一体何を食べるん?」 そう思いませんか。 それ
から雨の中を宮島中探し回ることになりました。 やっと鶏料理を見付けましたが、かなり時間を無駄にしてしました。  ・

新大阪駅での乗り換えが不安だと訴えられました。 本人は広島→東京間は直通だとお思いになっていたようです。 「どうし
て直通の新幹線に乗れないのか?」と何回も聞かれます。 「JRパスを使うとどうしても新大阪で乗り継ぎになるんです。」
と説明すると、旅費を負担するから、新大阪駅まで同行して欲しい。」と懇願されたりしました。 「新大阪駅には20番フォ
ームに到着します。 それから一旦2階に降りて23番フォームに上がって下さい。」と何度も説明してやっと納得して頂けま
した。 でもかなりナーバスになっておいででした。                                ・

いろいろなトラブルはありましたが、辻褄を合わせながら見学を終了し、広島駅のプラットフォームまでお見送りして今回も無
事にご案内を終えました。 こんなところが今回のご案内でした。                          ・
























8月25〜26日

ブラジルからお見えになりました。 奥様は日系3世。

今回のお客様はブラジルから。 ご主人はブラジル人、奥様は日系三世の30過ぎのカップルでした。 内陸部にお住いのよう
でしたが、町の名前は聞き漏らしました。 ご主人は家具造りの職人でご自身で店を切り盛りしておられます。 納品した後の
写真をbefore/afterで見せて頂きましたが、なかなかいい仕事をされています。              ・

 

25日は12時35分に広島駅にお迎えし、すぐに『お好み村』で昼食を楽しんで頂きました。 それから『平和公園』→『資
料館』→『広島城外周』を経て『縮景園』にご案内しました。 まぁ、いつものコースですからトラブルもなく、ただともかく
蒸し暑かったです。 自分で自分の汗臭さに顔をしかめるみたい。 それに前回のガイドから1月半空きましたから英会話が錆
び付いています。 ちょっとたどたどしい。 付け刃のようなものですから少し間が空くと、もうしどろもどろです。   ・

26日は広島駅にお迎えし弁当を買って前空駅に向かいました。 前空駅だと大野桟橋まで歩いて10分、従ってタクシーを心
配しなくていいので、近頃は専らこのルートを利用しています。 お弁当の件ですが、アナゴが2尾乗っかった『夫婦アナゴ弁
当』が確か1150円。 しかも7時から営業していますからこれはなかなか便利で嬉しい。 広島駅南口の取りつきにありま
す。 宮島に入って買うと、これと比較して品質がどうかなぁ?と思われるものが1700円超。 しかも売り切れがあったり
します。                                                    ・


大野桟橋から大鳥居周辺を遊弋して宮島桟橋に至り、すぐにケーブルカーの『もみじ谷駅』に向かいます。 今日はなぜか宮島
の『水中花火大会』でした。 例年はお盆なのに。 それでまだ早い時間なのに商店街はもはやラッシュ、夥しい人出です。・
早々と場所取りをするんですかね。 それはさておき我々は『獅子岩駅』から弥山頂上を目指しました。 靄が薄く視界を遮る
雰囲気でしたが構わず登ります。 展望台で暫く景色を楽しんだ後で2階に降りてお弁当にしました。          ・

 

そうこうしている内に靄が薄くなりましたのでもう一度展望台に登って頂いて弥山山頂を後にしました。 『千畳閣』には沢山
の人が座って涼をとっていました。 花火大会の時間待ちでしょう。 「何故ここにこんなに大きな飯杓子を並べてあるんです
か?」と質問がありました。 参りました。 『語呂合わせ』だとか、『必勝祈願』だとか、少し言葉を調べておかなければ。
いやぁ気にはなっていたんですがね。                                       ・

『厳島神社』の『平舞台』に出て驚きました。 『三笠が浜』には夥しい数の三脚が並べられています。 にわかカメラマンの
場所取りでしょう。 干潟や石垣にももうびっしりとブルーシートが並べられています。 まだ4時前だというのに大変な人出
です。 「花火が見たいと言っているんだけど、さてどうしよう? 帰りの混雑は半端じゃないしなぁ。」 ずっとそんなこと
を考えながら歩いておりました。                                         ・


 

このころから奥様の様子が変わりました。 事務所勤めにはこの蒸し暑さと長歩きが堪えたようで、すっかり反応が鈍くなりま
した。 「座って休みたい。 どこかにカフェはないか?」といいます。 ところが、近くのカフェは全て満員。 中には行列
ができているお店もあります。 やっと探し当てて、かき氷でほてりを鎮めて頂いた後で『大願寺』のベンチに奥様を残し、ご
主人を『大聖院』にご案内し、それから帰路につきました。                             ・

どうやら花火見物は諦められたようです。 この人ごみを見たら流石に後に引くでしょう。 「リオのカーニバルみたいですね
。」と冗談を挟むと笑っておられました。 土産物を物色したいとおっしゃるのでそれから商店街を歩きました。 いや歩けま
せん。 前に進めないのです。 やっとの思いで桟橋まで戻り、ようやく人ごみから解放されました。 最後に宮島口駅までお
送りし、お別れしました。                                            ・

 

この時期のガイドは厳しいです。 何しろ安全にお連れするのが一番ですから気を遣うことが多いです。 疲労、熱中症、食中
毒、心配事は沢山あります。 ちゃんと水分を摂ってくれているか、そんなことにも気を配ります。 様子を見ながら適当に休
憩もとります。 ややもするとスケジュールが乱れがちで、予定表と時計からは目が離せません。 どこで辻褄を合わせるか、
日がな一日そんなことを考えていたご案内でした。                                 ・





















































































7月12日


ブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)から母子3人旅

これは
ミラクルといってもいいでしょう。 とても感動的でした。 今回のお客様はカナダの西海岸バンクーバーからお見えに
なりました。 mam?歳、定年を迎えて「さぁ、これから何をしようか?」とおっしゃっていました。 daughter2
0歳、大学3回生。 小説家を目指しています。 son17歳、高校卒業。 大学も決まっています。 日本語専攻で将来は
東京で英語教師を目指しています。 今回は彼の卒業祝いの旅、今夜はホテルでbigディナーだそうです。 因みにdadは
元アメリカン航空のパイロット、今回は大型犬2匹とお留守番だそうです。                      ・

こんなご一家のご希望は「短時間で街歩きを済ませ、弥山に登りたい。」ということでした。 今日は少雨の予想でしたが、昼
過ぎには薄日も見えていました。 弥山山頂が時に雲を被っていました(故老曰く。 弥山に雲がかかったら雨)が、強い希望
でもありましたので取り敢えず出発することにしました。 少々foggyでもこの様子なら何とか景色を楽しめるでしょう。

ところがです。 ロープウェーに乗って榧谷駅(循環式と交走式の中継点)に至ると景色が一変。 それまでは遥かに眼下を遠
望できていたのに榧谷駅は一面深い霧に包まれていて何も見えません。 ゴンドラに乗り換えるとこんな景色でした。 「眼下
の景色をお楽しみ下さい(正確ではありません)。」というアナウンスに乗客から思わず苦笑が漏れていました。     ・


 

獅子岩駅に着いたとき「さて、どうしましょうか?」とお訪ねしました。 私は少し空が明るくなってくる気配を感じていまし
たので、お引止めはしないでこの人たちの判断に従うことにしました。 「もし途中で雲行きが怪しくなったら引き返すことに
して、取り敢えず出発しましょう。」という判断でしたので霧の中を出発しました。 途中の絶景ポイントも全て霧の中、さぞ
かし落胆されているかと思いきや、「霧の中の木立が素晴らしい。」とはしゃぎながら登っていかれます。 こういう楽しみ方
もあるんだなぁ。 そういえば前日の高野山は大雨、でもとても楽しそうにその時のことを話されていました。 カナダの人達
は雨がお好きなのかも知れません。                                        ・

弥山本堂まで登った時には雲が切れて青空も見え始めていました。 でも眼下は依然として深い霧の中。 そして弥山山頂、展
望台に上がった途端”サーッ!”と霧が引いて眼下に瀬戸内の多島美が忽然と姿を現しました。             ・


 

「wowとかniceとか」感嘆詞を並べながら景色に見入っておられました。 この瞬間がここからの景色により強い印象を
与えたのでしょう。 私自身も今までにこんな景色に遭遇したことはない。 これはまさに
『ミラクル』だと感じました。 後
になって「今まで日本で見たどんな景色よりも素晴らしい。」と感想を漏らしておられました。 こんな感動的な景色をご覧い
ただけ、彼我ともにラッキーだったなぁと安堵しました。                              ・

今回はいつも通り『大鳥居遊覧』をお楽しみいただき、弥山から下った後で『大聖院』『厳島神社』をご案内して今日の予定を
終えました。 一つ残念なことがありました。 宮島に到着したのが1時過ぎ、従ってお楽しみの『あなご飯弁当』がどの店で
も売り切れになっていました。 お弁当を頬張りながら眼下の景色を楽しむ醍醐味は残念ながら味わって頂くことができません
でした。                                                    ・















6月23〜24日



シアトルから弁護士さんがお見えになりました

6月22日・23日と2日間に渡り、広島・宮島をご案内しました。 今回のお客様はワシントン州、シアトルからお見えにな
った30代半ばの若いご婦人の1人旅でした。 大学を卒業後2年間判事を務め、その後独立して弁護士として働き、このたび
シアトルの会社に法務担当として再転職されるのだそうです。 転職の狭間に37日間の長期休暇が取れたので、前々から興味
を持っていた日本の文化と自然に触れたいとやってきたのだとお聞きしました。                    ・

なかなか多彩な旅を楽しんでこられました。 東京に始まり、鎌倉、箱根、京都、大阪、奈良、熊野古道(民宿を利用し2日間
歩いたそうです)、尾道、しまなみ海道、屋久島、そして鹿児島で焼酎を楽しんで、この度は広島・宮島、そして明日からは岡
山県の直島ともう1つ近くの小島で5日間を過ごし、東京でショッピングを楽しんで帰国の途につかれるようです。 「随分リ
ッチな旅ですね。」と笑いました。                                        ・

とても話し好きなお方で、終始楽しくおしゃべりをし笑い合いながら歩きました。 こういう話し好きなお客様は英会話初心者
にはとても有難いものです。 気持ちを乗せてくれますからこちらもつい饒舌になり、今まで使えなかった言い回しがふと口を
ついてでたりして、時にオッ!と自分に驚くこともあります。                            ・

「あなた、どこで英語の勉強をしたの? なかなかいいよ。」とお褒めを頂いたりしました。 それに彼女の話の内容がロジカ
ルでとても聞き取りやすかったのも助かりました。 流石は弁護士さんだと感心しながら「話が論理的なので中に1つ2つ分か
らない単語があっても全体のニュアンスは十分に掴めます。」とお話ししたことでした。                ・

22日・広島

少し暑かったですが、いい天気に恵まれました。 梅雨の盛りの『屋久島』でも天候に恵まれたそうですから、『晴れ女』でし
ょうか、とてもラッキーな方でした。 広島市内はいつも通り『平和公園・平和資料館』『縮景園』『広島城』それにお昼は『
お好み村』で『お好み焼き』にしました。                                     ・

『お好み焼き』屋さんでは、焼きあがっていく様子をじっくりとご覧いただき、それから『ヘラ』の使い方をレクチャーしまし
た。 「箸は使わず、『ヘラ』で口に運ぶのが広島流の食べ方です。」とお教えすると、最後まで『ヘラ』で食べておられまし
た。 同席になった人も「凄い。 全部『ヘラ』で食べてる。」と感心されていました。 これも広島の食文化の1つですから
しっかりと体験していただきました。 しかしネギと海老入りの『お好み焼き』は流石にヘビーだったようで、3分の2くらい
を食べたところで手が止まってしまいました。 「take out出来るか?」とお尋ねになりましたが、この店では食中毒
の恐れがあるのでそれは出来ないことになっています。                               ・

 


ご存知のように『広島城』は原爆で壊れその後再建されたもので、姿こそ創建時と同じですが、建材はコンクリートで内部は展
示場になっています。 従って、例えば『姫路城』をご覧になった方に内部をお見せする意味はありませんから、その場合は内
堀越しに天守閣の佇まいの美しさをご覧になって頂くようにしています。 ここからの景色は見る価値があります。 今回は他
のお城を訪ねていなかったので天守まで登っていただきました。 ただ、『広島城』での私の説明は十分にこなれてなくて、少
々苦慮する場面もありました。                                          ・

ともかくタフな方でした 、バッグに応急用のテープ(靴擦れ防止などに使う)を忍ばせながら疲れた様子もなくスタスタと歩
いて行かれました。 『熊野古道』では1日に35キロ、『屋久島』でも山中を5キロも歩いたそうですから、よほど足腰のお
強い方なのでしょう。 私はというと、疲れた顔はお見せできませんから、何とか頑張り通しました。          ・

23日・宮島


最初に『大鳥居遊覧』にご案内しました。 いつもは宮島口駅からタクシーで航路の出発点『大野桟橋』に向かうのですが、今
回は前空駅から歩きました。 大体10分で到着します。 前回のご案内は雨、こうなるとなかなかタクシーが捕まりません。
『大鳥居遊覧』といっても定期便ですから『待った』はありません。 遅れてしまえばお客様の落胆は大きいでしょうから、こ
の度、より確実な方法を見つけ出しました。 なお、宮島口駅から歩くと20分近くはかかります。           ・

『大鳥居遊覧』にお乗り頂いたお客様は皆さん感動されます。 そして、「あなたのアレンジは素晴らしい。 有難う。」と感
謝されることが多いです。 今回のお客様も間近に見る『大鳥居』の威容、『大鳥居』越しに見る厳島神社の優雅さ、背後の緑
深い山容にかわるがわる目をやって楽しんでおられました。                             ・

 


続いて弥山登山です。 先ずは商店街で『あなご飯弁当』を買って出発しました。 1箱1700円、決してお安くはありませ
んが、宮島を代表する郷土料理ですから登山をされる方にはいつもお勧めするようにしています。 お弁当を買って山頂で食べ
ていただければ時間の節約ができます。 また、屋外でのランチもまた楽しいものです。 今日もまずまずの天気で、お弁当を
頬張りながら山頂からの景色を堪能して頂くことができました。                           ・

下って『千畳閣・五重塔』『厳島神社』『大聖院』をご案内しました。 『厳島神社』では結婚式がご覧いただけました。 ま
た神道マナーでのお参りも体験して頂きました。 『大聖院』では見せ所として、『五百羅漢』『戒壇巡り』『摩尼殿』をご案
内しています。 『五百羅漢』はその可愛らしさ、それに一体ずつ違う表情を喜ばれます。 『摩尼殿』2階では『火灯窓』に
腰掛けて緑深い渓谷や、遠く『厳島神社』の家並を眺めながら涼を取って頂き、宮島口駅にお見送りして今回のご案内を終わり
ました。                                                    ・




































5月27日



オーストラリアから再訪されました

昨日27日にボランティア・ガイドが終わりました。 少し暑かったですが、ご案内には絶好のコンディションでした。 今回
のお客様はテリガル(シドニーの北方数10キロの海岸沿いの街です。)からお見えになりました。 再訪でした。 ちょうど
1年前に広島・宮島をご案内し、そのとき時間の関係で諦めた『弥山からの眺め』をご覧になりたいと再訪されました。  ・

お話によると、福岡→長崎→五島→鹿児島→高千穂→熊本→日田→湯布院・別府→臼杵と九州をくまなく旅されて広島に脚を延
ばされました。 広島では27日に忠海→うさぎ島→尾道と歩かれて今日が宮島でした。 明日は福岡→成田、そして帰国の途
につかれます。                                                 ・

前回は『大鳥居遊覧航路』が潮の関係で第2便(11時05分発)になったので『弥山登山』を諦めて頂きましたが、その時見
た弥山の美しさに魅かれて再訪されました。 少し遅くなりましたが、13時に広島駅新幹線チケットゲートで落ち合いすぐに
宮島に向かいました。                                              ・

「さて、どのようにしましょうか。」 列車内で地図を広げて示しながら相談しました。 その結果、奥様はロープウェーで獅
子岩駅まで登り、頂上まで歩く。 私たちは『もみじ谷ルート』を登り、山頂で待つ奥様と合流する。 下りは奥様はやはりロ
ープウェーで下る。 私たちはどうするか? それは頂上まで登った後で改めて相談することにしました。        ・

ご主人は67歳、大柄で脚が長く、結構スタスタと登られます。 quiet、beautifulと連発されながらどんどん
歩を進められました。 私もいつになく脚の様子が良好で、3回ほど水分補給のための短い休憩を取っただけで頂上にいたりま
した。 頂上の展望台は既に閉鎖されていました。 ボランティアにより運営されていて4時には閉鎖されます。 少し間に合
いませんでした。 残念でした。 ただ、パノラマという訳にはいきませんが、随所で晴れ渡った景色を眺めることができ、ま
ぁ満足して頂けたのではないかと思います。                                    ・

下りはやはり歩くことになりました。 下って昨年ご一緒した『もみじ谷』周辺を歩きながら、感動的だった『大聖院・摩尼殿
』からの眺め、クルーズ船から眺めた『厳島神社』や『大鳥居』の雄大さ、荘厳さなどを懐かしく思い出し、話し合いながら港
に向かい、宮島口駅でお別れしました。                                      ・
     

 


お別れに当たって、再々度の来広をお勧めしました。 「その時にはもう少しゆっくり時間を取って欲しい。 私の手料理でお
もてなししたい。」と申し出ました。 ひょっとすると来年2月頃にお見えになるかも?知れません。 「その前にオーストラ
リアに来ないか。 私が案内してあげよう。」とお誘いがありました。 ボランティア・ガイドを通じて、オーストラリアには
沢山の知り合いができました。 皆さんにもう一度お目に掛かるのもいいかなぁ。                   ・





























5月24〜25日



イタリアからお見えになった老姉妹と若いカップル

今回のお客様はイタリアのサルデーニャ島からお越しになりました。 70歳代の姉妹と30歳代の若いカップルの4名のメン
バーでした。 最初にメールを頂いたときから、親子と叔母という関係を疑っていませんでしたが、実は若いカップルとはfr
iendだと知って驚きました。 こういう関係のグループは余り聞いたことがありません。              ・

24日は京都からやってくる彼らを10時半に広島駅にお迎えし、ホテルにチェックイン後『縮景園』→『お好み村』→『平和
公園』→『原爆資料館』→とご案内し『本通り商店街』で土産物を物色していただきました。 25日は宮島口駅で落ち合い『
大鳥居遊覧クルージング』→『千畳閣・五重塔』→『昼食(牡蠣料理)』→『厳島神社』→『大聖院』→宮島口駅でお別れ、こ
んなスケジュールでした。                                            ・

イタリアの方はsea foodがお好きですね。 お好み焼き店では『イカ』『蛸』『牡蠣』をトッピングして楽しんでおら
れました。 合わせておしゃべりですね。 言葉は全く通じないのにお店の方ににもしきりに話しかけられて、どんどん時間が
経っていきます。 「let’t go!」と促してやっと席を立って頂きました。 お店の方も「黙っておくといつまで続く
かわかりませんね。」と呆れていました。                                     ・

 


周囲に余り気遣いしないで、ともかく朗らかにマイペースという(別に悪気を感じるということではありません。)感じの方達
でした。 これは国民性ということ(今までにご案内したこの国の方達は総じてこのようだったと記憶しています。)なのかも
知れません。 
例えば写真を撮っている人の前にどんどん割り込んでカメラを構えるとか、そんなことが多くて、その度に袖を
引っ張って注意を促すのですが、悪びれる様子もなくすぐに同じことを繰り返されます。 チケット販売所では後に続く長い行
列には目もくれず紙幣や小銭を延々と並べていたりしました。                            ・


姉妹のお一人と若いカップルのhusbandには英語が全く通じませんでした。 従って少し説明をしては通訳をしていただ
くということになり、なかなか会話の流れが作れず苦慮しました。 コミュニケーションは双方向ですから、ある程度気持ちを
盛り上げて頂けないとやりにくい面もあります。                                  ・

『千畳閣』に入るなり4人が4人ともカメラを構えながら思い思いの方向に散っていきました。 やっと落ち着いたところで「
この建物の説明をしましょうかね。」といって端折って説明をしました。 まぁ、それで満足をされていたようでしたから、そ
れはそれでOKだったんでしょう。 『千畳閣』だけでなく、どこでもそのようなことが多くありました。 その間「私は何を
すればいいの?」と気を揉んでいました。 まぁ間が持てぬ。                            ・

面白いことが1つ。 大野からクルーズ船に乗って大鳥居に向かいました。 ほぼ満潮でしたので大鳥居の真下まで入り、遠景
や近景を堪能していただきました。 写真も大いに撮って満足して頂けたようでした。 いつもは大鳥居周辺での説明は専属の
ガイドさんにお任せし、肝心なところを補足をするのですが、今回はとても聞いては頂けないと思いましたのでガイドさんに任
せっきりにしていました。                                            ・

さて干潮になり、歩いて大鳥居の真下に至ったときヤングカップルが揃って言いました。 「ここには全く同じ鳥居が2つある
のか? もう一つは一体どこにあるんだ?」 真剣な面持ちでした。 ??、彼らには数時間前にボートから見上げた大鳥居が
今むき出しの海底に建っているこの大鳥居と同じものだとは想像できなかったようです。 「そうか、そういう思いもしない疑
問を持つ向きもあるのか。」と少々おかしく思いました。 まぁ、説明を省いたこちらにも責任がありますかね。     ・

25日は雨になり、計画していた『弥山登山』は諦めていただきました。 その代わり『厳島神社』や『大聖院』ではゆっくり
と時間を取っていただけました。 そして宮島口駅でお見送りをしました。 さて次回は30日。 オーストラリアから再訪さ
れる方を弥山にご案内することになります。 麓から登りたいとおっしゃるか、それともロープウェーを利用するか、詳しいこ
とはまだ決まっていません。                                           ・


























4月24日



from Argentina


今回のお客様はアルゼンチンからお越しでした。 74歳のDadと娘さん28歳。 娘さんはアルゼンチンのトヨタ自販の支
店にお勤めで、広告関係の仕事に携わっておられます。 3年前に転職され、「仕事のやりがいと給与にとても満足している。
」と話されました。 アルゼンチンでは一般車のコロナと高級車のカムリが売れ筋なのだそうです。           ・

ご希望は今日1日で広島と宮島の探訪でした。 短時間でも何とか満足して頂きたい、そう思って『大鳥居クルージング』→『
厳島神社』→『お好み焼きin Hiroshima』→『平和公園・資料館』を提案しご了解を頂いていました。 ところが
前夜になって「昼頃の到着になるが、それでいいか?」と急な連絡が入りました。                   ・


 

まぁ、お客様第一ですから、そこはもちろん「Yes」です。 急遽スケジュールの変更に取り掛かりました。 クルージング
はこの時点で諦めてキャンセル。 12時前の到着なら昼食を済ませて『平和公園』、そして宮島へ向かうのが道筋としてベタ
ーです。 そして当日新幹線にお迎えするとDadが相当疲れているご様子です。 殆ど表情がありません。 これはちょっと
厳しいなぁ。 そこでご了解を頂いて全行程をタクシーにしました。                         ・

『平和公園』内も『原爆ドーム』から『元安橋』経由にショートカットし、『原爆の子の像』→『平和の灯』→『慰霊塔』の見
学に絞りました。 更に『原爆資料館』をパスして宮島に向かうことにしました。 短時間で『原爆資料館』を見て頂くように
考えていましたが、Dadの様子ではそれも無理と見て更にスケジュールをカットしました。              ・

島内の移動もタクシーにしました。 『厳島神社』内には見せ場が多いのですが、どうもDadの反応が鈍い。 最後には回廊
の欄干に腰を下ろし動かなくなってしまいました。 娘さんには一人で潮が引いた大鳥居に向かって頂き、私はDadに付き添
います。 そして時を見計らってタクシーを呼び娘さんを拾って桟橋に向かいました。                 ・

予定が狂いっぱなしのご案内でしたが、取り敢えず『見どころ』だけは押さえながらご案内を終えました。 まぁ、仕方がない
ですね。 なかなか予定通りにいかないこともあります。 こんな中でもいい印象を持ってお帰り頂ければ・・・まぁ、今回は
こんなところで『ヨシ!』としましょう。                                     ・





























4月 9〜10日



Nice American guy

今回のお客様はニュー・ハンプシャーからお見えになりました。 ボストンの北側に南北に細長い州があります。 その北西部
ニュー・ロンドンというかなりcountry sideにお住まいです。 依頼のメールには84歳とありましたのできっと
ご案内を希望するメンバーはいないのではないかと考えて私が手を上げました。                    ・

「青いキャップで行くよ。」と言っていましたが、新幹線ゲートにお迎えした彼はとても若い。 「ン! 84歳?」と目を疑
いました。 それで早速年齢を訊ねてみたところ、「あれはmistakeで79歳だよ。」ということでした。 それにして
も若い。 まるで私を引っ張るようにスタスタと歩くし、話の内容はclearで脳年齢もとても若いようでした。    ・

ちょっと不思議に思ったので経歴を訊ねてみました。 彼曰く、「ボストンの大学を卒業し、24年間会社でプログラマーとし
て働き、その後高校教師としてプログラミングを教え、またロシアに行き来しながら同じく若者に教えて来たようです。 現在
はインターネットを通じてロシアの高校生に教える傍ら、ボランティアとして週2日近隣のシニアにパソコンの使い方を教えて
います。 またシニアグループでテニスも楽しまれています。 そういう経歴のお方でした。 さもありなんと納得ました。・

とてもtalkativeな方でした。 ともかく話し続けます。 その内容は時に思わぬ方向に飛んでいきました。 例えば
福島原発事故の話しをしていたかと思うと、新幹線の乗り心地に飛び、新幹線の中ではみんな静か、アナウンスも素晴らしいと
と驚き、平和のためには広島からの発信は大事だと主張し、どこにもゴミが落ちていないと感心するという具合でした。  ・

顔を接するように近づいて指を立てながら力説します。 佳境にはいると立ち止まり、更に顔を近づけてきます。 でもこれは
いいですね。 こちらも相手のペースに合わせて乗っていけます。 2日間、ともかく話し続けたという印象でした。 それに
随分発音を指摘されました。 彼が聞き取れないとanother wordを求められ、発音の訂正をします。 「舌をここ
にこう持っていく。 下唇をこのように動かす。 やってみろ!」という具合に立ち止まっては指摘します。 まぁ、これはこ
れでいい勉強になったし有難かったのですが、辺り構わず人ごみの中でやられるのには閉口しました。          ・

こんな具合で2日間を過ごしました。 1日目は『お好み焼き』で昼食を摂っていただいた後『平和公園』、『広島城』の外観
を見て頂き『縮景園』とご案内しました。 平和資料館では一つ一つの展示物をしらみつぶしにチェックされました。 時間は
十分にありましたから、ここはじっくりと見ていただくことにしました。                       ・

 

2日目、潮に恵まれましたので、例によって『大鳥居遊覧航路』で壮大な平安絵巻を楽しんでいただきました。 背景はおりし
も満開の桜に彩られ、一層趣をたたえていました。 厳島神社では丁度結婚式が始まるところでした。 「いや、以前他で見た
ことがあるからいいよ。」とおっしゃっていましたが、だんだんと引き込まれたようで、三々九度の後で「もうそろそろ」と促
す始末でした。                                                 ・

『大聖院』をご案内し宮島口駅にお送りしましたが、とても印象に残るご案内になりました。 ご案内に当たっては昼食と交通
費はお客様持ちということになっています。 いつもご案内の最後に支払いをお願いすることにしていますが、「換金が間に合
わなかった。 これで足りるか?」といってドル札で交通費を渡して去っていきました。                ・










































4月 6日




Italian young girl

イタリアからヤングガールがお見えになりました。 イタリアのどこなのか?・・・聞き漏らしてしまいました。 少なくとも
ローマやミラノではなかったようです。 前もってI’m an Itarian young girl.とご自己紹介して
くださいましたが、一体何歳の方なのだろう? それは流石に聞くに憚りました。 イタリア国内の生命保険会社に7年間勤め
ているということ、それにアイルランドで2年間働いたといいますから類推するに三十路には入っているようにお見受けしまし
た。 陽気で矢継ぎばや、徹底したマイペース、決して悪びれない、好奇心旺盛、こんなイタリア人の特徴?をよく備えた方で
した。                                                     ・


早朝に京都を発ち、夜には京都に戻られます。 その間に広島と宮島を訪れるとなるとなかなかハードなスケジュールです。・
可能なら広島か宮島に1泊し、広島で1日、宮島で1日、これなら存分に見どころをお楽しみいただけるのですが、先様にも予
定がありますからなかなかそうもいきません。 広島では縮景園も広島城も諦めていただき、平和公園・原爆資料館、それにお
好み村で『お好み焼き』を楽しんでいただきました。 「なんでも食べます。 食べることが大好き。」といっていましたが、
蕎麦入りのベーシックなお好み焼きにイタリア人らしく『タコ』をトッピングして美味しそうに食べておられました。   


 

前後します。 事前学習をされていたのでしょう、平和公園では『原爆の子の像』のストーリーをよくご存知でしたし、オバマ
前大統領の訪問のことも説明するまでもなくよくご存知でした。 また遠慮がちに「広島の人々の原爆投下に対する感情はどう
なのか?」と質問されたりもしました。 原爆資料館では見学の後でボランティアがやっている『折り鶴』体験に興味を持たれ
完成品を大切そうに手帳に挟んでおられました。                                  ・


 

今回は宮島口まで路面電車で移動しました。 市の中心部から広島駅まで市内電車に乗り、JRに乗り換えて宮島口まで行くの
も路面電車で向かうのも待ち合わせ時間などを考慮すると余り違いはありません。 もっとも運賃の方は差し引き100円ほど
お高くはなります。 ただ気分的にはまどろっかしい感じがします。 それに話に口を挟みたがる無礼な輩もいたりします。・
そういう面では椅子で仕切られているJRの方が閉空間となって私としてはやりやすい。                ・


午後からは雨になりました。 桜の時期は曇りや雨が似合います。 特に『千畳閣』から『厳島神社』越しに見晴らかす『多宝
塔』方面の景色にはご案内しているこちらも惚れ惚れしました。 私が撮ったこんな写真を見ながら、「あれもこれも、いやい
や全部送って欲しい。」と懇願されました。 雨の日は背景から桜ががくっきりと浮き立ちます。 そうは言っても案内する立
場だとやはり雨は厄介です。 カメラを向けたり、資料をお示しするのにも手間がかかりますし、その都度傘を閉じたりさした
り、施設内を持ち歩いたり、こんなことに苦労をします。                              ・

 

『厳島神社』では花嫁さんもご覧いただけました。 ちょっと困ったのは『卒塔婆石』の説明でした。 ここは大抵スラリと通
り抜けるのですが、いきなり「この石は何を意味しているのか?」と質問がありました。 いきなりの質問にドギマギ、でも「
清盛の弟が反乱を企てたという疑いで遠くの島に流された。 弟は遠くの地で母が恋しい、京都が恋しいという短歌を作って1
000枚の卒塔婆を海に流した。 その内の1枚がここに流れ着いて、そのことを知った清盛は弟を許した。 そういう故事が
ある石だ。」と説明し何とか納得していただきました。 ともかく何にでも興味津々の方でした。            ・

本殿にはニ礼二拍手一礼の神道マナーでお参りしていただき、恒例の『火焼前』『高舞台前』で記念写真を撮って『大聖院』に
向かいました。 『大聖院』ではいつも石段脇の『五百羅漢』、観音堂地下の『戒壇巡り』、『摩尼殿二階からの景色』を楽し
んで頂きます。 基本的にそれ以外はご案内しません。 信徒ではありませんから彼らにはこれで十分、これがこの寺の見せ所
だと思っています。 やはり今回のお客様もいたく感動され、どうにも離れがたいご様子でした。            ・

今日の内に京都まで戻られますので新幹線構内までお見送りし、乗り場の位置までお示しし帰路につきました。 ところどころ
分かりにくい言葉があり聞き返したり確認したりしましたが概ね言葉は通じているように思いました。 発音は比較的ジャパグ
リッシュに近かったと思います。 こんなことで今回も無事にご案内を終えました。                  ・




































2月28日〜3月 1日




from Washington DC

今回のお客様はワシントンD・Cからお見えになりました。 ホワイトハウスから北に10キロくらいの閑静な住宅街にお住ま
いだそうです。 まさに世界の政治と経済と話題の中心からお見えになりました。 ご夫婦ともにハーバード大学出身のお医者
さまでウイットに富みとても朗らかで親しみやすい人達でした。                           ・

1月下旬にガイドの依頼がありましたので早速連絡を取ってご要望をお聞きし、スケジューリングに取り掛かりました。 いろ
いろと下調べをして研究されたようで、宮島では特にナイトクルーズに強い希望がありました。 ところが調べてみると2月2
8日、3月1日とも昼前が満潮ですからナイトクルーズ船の運行時間帯は大干潮。 かなり遅い便に乗ったとしても『大鳥居』
の遥か沖合を遊弋することになります。 きっと落胆されるでしょう。 そのようにお話しし、その代わりに行きに『大鳥居遊
覧航路』を提案しました。                                            ・

28日は『平和公園・原爆資料館』を見学していただいた後で昼食に『お好み焼き』を召し上がっていただく。 それから『縮
景園』を訪ねてゆっくりと散策していただき、『広島城』の内堀の外周を歩きながら『天守閣』の佇まいを堪能して頂いた後で
宿にお送りする。                                                ・
 

3月1日は大野桟橋から大鳥居遊覧船で『大鳥居』の真下まで接近し驚いて頂いた後、ロープウェーを使って弥山山頂に登る。
ロープウェーの点検作業は2月一杯で完了する予定なので3月1日なら大丈夫。 お昼は展望台で『あなご弁当』を召し上がっ
ていただく。 下って『厳島神社』→『大聖院』→『千畳閣・五重塔』→『干潮の大鳥居』と見学して頂いたあと商店街を冷や
かして帰路につく。 こんな提案をして「ナイスアレンジメントだ。」とお褒めをいただきました。           ・

私はアメリカ英語がとりわけ苦手です。 しかも早口でしゃべられると、聞える単語を拾い上げる作業に忙殺されます。 とこ
ろが今回は何故かうまく聞き取れて会話がスムーズに進みました。 時に冗談を交えながら気楽にご案内することができたので
すが、2日目になって状況は一転しました。 これは私の想像ですが、おそらく手心を加えなくても聞き取れると見て日常会話
に入ったのだろうと思います。 またまた元の木阿弥に戻ってしまいました。                     ・

「ネイティブとの会話に接する機会が少なくて、まだまだリスニングに苦労しています。」とお話しすると、「だったらスカイ
プネームを教えなさい。 私が教えてあげる。」と言っていただけました。 有難いことなので早速お願いしてみようと思って
います。                                                    ・

ご案内は殆ど予定通りにスムーズに進みました。 ただ、何事によらず熱心な方達であらゆる施設をじっくりと見て回られまし
た。 例えば『原爆資料館』では「相生橋の変形した橋脚が展示してあるという説明だったが、それはどこにあるか?」と尋ね
られ、お連れすると座ったり脇に回ったりしながら変形の方向や浮き上がったボルトなどを熱心に確認されたりしていました。
またご主人は写真がお好きでいい景色に出会うとじっくりと高級カメラ(ニコン)を構えておられました。 私としては時間に
押されて気を揉む場面もありましたが、基本的に『お客様の希望が最優先』ですから。                 ・

 

よもやま話にも花が咲きました。 毎日のように報道されるホワイトハウス前の抗議行動についても、メディアの報道とはかけ
離れた現実の姿を教わったりしました。 『お好み焼き店』ではその出来上がっていく過程に興味を持たれ、「今振りかけたも
のは何だ? あれは何だ、これは何だ?」と質問が続きます。 「『お好み焼き』とはどういう意味なんだ?」と質問されて窮
した挙句、「baked pork,seafoods,vegetables with noodles and egg
on an iron plate as you like.」と怪しげな説明をしてしまいましたが、それでも頷きながら
美味しそうに召し上がっておられました。                                     ・




































2月 9〜11日



Australian couple


2月 9日


今回のお客様はシドニーの南400kmの田舎町、マンヤーナにお住まいです。 海岸沿いの小さな町で、人口が400人、小
さな店が1軒、ちょっとした買い物とか病院は隣町まで出かけるのだそうです。 それでもお気に入りの町だそうで、拝見する
と海岸の景気がとてもきれいです。 写真を何枚も何枚も見せてくれました。                     ・

海岸までは歩いて5分くらい。 シドニーから北側だとハリケーンなどの影響があるそうですが、この地域は比較的穏やかで、
絶好のwind swellを求めて多くのサーファーがやってくるそうです。 ご自身フィッシングボートもスタンディング
ボートもお持ちで、ご夫婦で週に4〜5回は近くの入り江で釣りやスタンディングボートを楽しんでおられます。     ・

ともかくお話好きな方々でした。 10時44分に新幹線にお迎えしてホテルへ向かう間、ホテルから縮景園に向かう間、縮景
園の中、ともかくよくしゃべられます。 『縮景園』では『濯纓池』(たくえいち:この池を中心に様々な施設が設けられてい
て、ビジターはこの池の周辺を徒歩で回遊できる=回遊式庭園)の解説の中にblack sea bream(チヌ)を見付
け、「この魚はうまい魚だ。 食ったことがあるか?」と聞きます。 「Of courae of course, I w
as crazy about fishing, especially black sea bream.」と応じると
更に表情が明るくなり、次々と捲くし立てるのでした。                               ・

どうやら強い『訛り』があるようで、最初の内は「何を話されているのかな?」という感じでした。 所々に聞こえる単語が出
てくるので、暫くの間はそれを拾ってはくっつけながら想像を巡らすという作業が続きました。 『縮景園』で1時間ほどを過
ごし、『お好み焼き店』に入った頃になってやっと少し慣れてきました。 そして次々と話しが続くのでした。      ・

 

「フラットヘッドを知っているか? 旨い魚だよ。」 「海岸にクラブが棲息する場所があってな、時期になると1人2尾まで
獲ることができる。 もし違反すれば罰金を1000ドル取られる。 いつも警察が来て監視しているんだ。 皆んな入れ物の
中身をチェックされる。」 「家から波が穏やかな海岸(内湾)まで歩いて5分だよ。 家内と一緒に週に4〜5回は出掛けて
スタンディングボートやクルージングを楽しむよ。 マンヤーナは小さな街だが自然豊かでとってもいいところさ。」 こんな
調子で、そうですね、『お好み焼き店』に座り込んで1時間半は話し続けたでしょうか。                ・

ところが『お好み焼き』店を出るころになって急に静かになりました。 そして「近くにpharmacyがあるか。」と聞き
ます。 どうやら頭痛に襲われたようです。 『平和公園・平和資料館』をご覧になったあとで『広島城の外周』を回るころに
は「気分が悪い。 明日の予定はキャンセルしたい。」ということになりました。 実はこの人たちは予定の1日前に広島に入
られました。 そして今日広島見学を終えましたので、明日は休んでいただき、明後日に宮島をご案内すれば当初の予定通りに
案内を終えることなります。 「しっかりお休みください。」とお伝えしお別れしました。               ・

2月11日


さて翌々日、とても寒い日でしたから「まず無理だろうな。」と思いましたが、何も連絡がないので申し合わせ通りにロビーで
待っていると現れました。 見た感じ、そんなに悪くはないようです。 「体調はどうですか?」とお尋ねすると、「50%だ
よ。」と答えます。 「OK!」それなら行きましょう。」と宮島に向けて出発しました。               ・

最初はいつも通り『大鳥居遊覧航路』です。 今回もいい潮に恵まれました。 「Wow wanderful! huge!
Amazing!」 暫く感嘆詞が続きましたね。 ところがです。 船の中で奇怪なことを聴きました。 2月いっぱいは点
検のためケーブルカーが動かないというのです。 これは迂闊でした。 観光ガイドとしてあるまじき失態だったと思います。
しかも、宮島では弥山からの景色をとても楽しみにしておられましたので、そのことを告げると明らかに落胆の表情を浮かべて
おられましたね。                                                ・

そこで思い付いたのがタクシーです。 タクシーで『奥之院』まで向かい、『仁王門』まで登ってそこで『大聖院ルートと合流
する。 これだとロープウェーから頂上までとそんなには変わらない。 タクシーと交渉し、何とか送り迎えをしてくれそうな
のでそのことを話すと、急に相好が崩れました。 私も安堵しましたね。 『奥之院』から『仁王門』までは石段が多く、しか
も十分にメンテナンスがされていないのでコンクリート舗装のロープウェールートよりは少々厳しいことになります。   ・

 

そして頂上までたどり着くとまたまた驚いたことが。 展望台の入り口に鍵がかかっていて上に登ることができません。 後で
確かめてみると、気象警報が発令されたら基本的に閉鎖ということでした。 ロープウェーの点検とは直接関係はないようでし
た。 でもまぁそこはそこここから景観を選んでご覧いただきました。 下りは20分くらいと踏んで、そのようにタクシー会
社に連絡しました。 ところがどうやらそれでは無理、少なくとも30分は見ておかなければ。 それに連絡しようにも『奥之
院』方面に下ると携帯電話が圏外のことが多いです。                                ・

下って昼食を済ませたあとで、『厳島神社』、『大聖院』、『千畳閣・五重塔』とめぐって今日の予定を終えました。 『大聖
院』では『五百羅漢像』のどことなくのどかな表情と『摩尼殿』2階からの景観をご覧いただきました。 出来ることなら『牡
蠣飯』か『アナゴ飯』のお弁当を持参して、頂上で景色を眺めながらお昼にするといいなぁと思っていましたが、海岸に住み釣
りを楽しまれるのに「牡蠣とアナゴはダメなんだ。」ということだったので、それもなりませんでした。         ・











































1月19日



今年の初ガイド

これが今年の初ガイドでした。 そしてこんな依頼も初めてでしたね。 14日だったか、娘からメールが入りました。 「私
の友達から「あなたのお父さん、ボランティア・ガイドをやっているよね。 私の友達からカナダ人カップルが19日に広島に
行くんだけど、誰か案内してくれる人はいないかなぁ? と相談されてお父さんのことを思い出した。」といってきているんだ
けど、どうかなぁ。」という内容でした。                                     ・

特にスケジュールはないし、「いいよ。」と返事をしたらすぐに娘の友達の友達という人からメールが入りました。 「東京で
英会話関係の仕事をしている方で、カナダ人カップルはこの人の友達ということでした。 少々complicatedなお話
しでしたが、ご理解頂けましたか。                                        ・

それで今回のご案内となりました。  カナダ東部の島にお住まいの若いカップルです。 彼はSteveさん、奥様はMan
dyさん。 美男美女のなかなかお似合いのカップルでした。 「グリーンゲーブルズ?」とお尋ねすると、「really 
close」とおっしゃいますので、多分サンピエール島だろうと思います。 顔を合わせた途端に「いい天気ですね。 まる
で春のようです。」と言われました。 「??」 それでよくよく話を聞いて納得しました。 お国では毎日ではないが、週に
1〜2度は−40度になることがあるんだそうです。 南極探検隊のような上着を着て、口髭を凍りつかせた写真を見せてくれ
ました。                                                    ・

95日間の旅の最初に日本を訪れたようです。 東京→大阪→京都と見学されて、今日が広島。 昼前に広島に入り、今夜には
関空からインドネシアに出立されます。 ただ、数ある観光地の中で、『特殊な歴史と文化』に興味を持たれて広島を選ばれた
というお話しだったのでご案内にもちょっと力が入りました。                            ・

平和公園、原爆資料館を見学していただいたのち、お昼を『お好み焼き』にして広島の被爆体験と伝統的な地方料理を経験して
いただきます。 それから宮島に移動し、先ずは『大鳥居遊覧航路』で大鳥居に大接近して驚いていただくとともに、厳島神社
を海上からご覧いただき宮島の景観と平安文化に触れて頂きたい。 そのためには少なくとも9時半過ぎには広島にお越しいた
だき、6時前の新幹線・新大阪経由で関空に向かう。 こんな提案をしてご了解を頂きました。             ・

8時間の旅程でしたので随分ゆとりがあるご案内とお思いかもしれませんが、基本的には『お客様第一』でお客様の動きに合わ
せて動くこと、そして移動時間を考慮するとこれでもなかなか十分な時間とも言えません。 平和公園では『原爆の子の像』の
前で暫く佇み、説明を聞きながら涙を流しておられましたし、原爆資料館では展示物の一つ一つにじっくりと目を通しておられ
ました。                                                    ・

お好み焼き店でハプニングが起こりました。 『そば玉』『うどん玉』をシェアして食べて頂いていると年配の二人連れが現れ
て、彼らにしきりに話しかけます。 昼間からなかなかいいご機嫌です。 「出張帰りだけど、ランチオンミーティングさ。」
とうそぶきながら、カナダに行った経験を話したがったり、旅行のスケジュールを聞きたがったりで、そのつど私に通訳を求め
ます。 「ビールをご馳走する。 日本酒も飲んでみてくれ。」 最後には「ここは私の奢りだ。」 それはそれで彼らにとっ
てはラッキーだったのですが、私は時計を見ながらやきもきするばかり。 お好み村からは予定外のタクシーを飛ばして広島駅
に駆けつけました。                                               ・
 

大鳥居の下ではその大きさに驚かれましたが、「なんのためにこのような建物が建てられたのか?」「なぜ海の中なか?」「い
つごろ建てられたものなのか?」「何故朱色に塗られているのか?」などなど興味を持って次々と質問をされました。 また厳
島神社では社殿の建築様式、本殿の構成、参拝の形式、舞楽や能の奉納などを歴史や文化を含めてお話しし興味を持って頂きま
した。                                                     ・
 

最後に・・・私としては宮島口でお別れするのが最も都合がよかったのですが、広島駅でのロッカーの位置や乗り場の確認など
に手間取らないよう、予定の新幹線に確実に乗って頂くために、「ここは最後まで。」と考えて広島駅新幹線ゲートまでお見送
りし今日のスケジュールを終えました。                                      ・

それで『会話』の方はどうだったかというと・・・苦慮しました。 カナダ英語といえばオーストラリア英語とともに私には一
番聞き取りやすい言葉のはずだったのですが、さっぱりダメでした。 以前学習していたNOVAのインストラクターとは全く
発音が異なっていました。 後で友達という人から聞いた話では、「彼らには訛りがあって、とても聞き取りづらく私も慣れる
までに時間がかかりました。」ということでした。 ただ私の場合ナチュラルスピードで捲くし立てられると、もう話の核心ま
で分からなくなり、正直「まだまだだなぁ。」と思いましたね。 (いつまで「まだまだ」が続くんだろう。 悔しいことです
。)                                                      ・